Loading AI tools
2008年のアメリカ映画 ウィキペディアから
『アイアンマン』(英: Iron Man)は、マーベル・コミックの同名キャラクターをベースにした、2008年のアメリカのスーパーヒーロー映画。マーベル・スタジオが製作し、パラマウント・ピクチャーズが配給する、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の第1作目である。監督はジョン・ファヴロー、脚本はマーク・ファーガスとホーク・オスビー、アート・マーカムとマット・ホロウェイが務め、トニー・スターク/アイアンマン役のロバート・ダウニー・ジュニアのほか、テレンス・ハワード、ジェフ・ブリッジス、ショーン・トーブ、らが出演している。
アイアンマン | |
---|---|
Iron Man | |
監督 | ジョン・ファヴロー |
脚本 |
マーク・ファーガス ホーク・オストビー アート・マーカム マット・ホロウェイ |
原作 |
スタン・リー ラリー・リーバー ドン・ヘック ジャック・カービー 『アイアンマン』 |
製作 |
アヴィ・アラッド ケヴィン・ファイギ |
製作総指揮 |
ルイス・デスポジート ピーター・ビリングスリー アリ・アラド スタン・リー デヴィッド・メイゼル |
出演者 |
ロバート・ダウニー・ジュニア テレンス・ハワード ジェフ・ブリッジス グウィネス・パルトロー ジョン・ファヴロー ショーン・トーブ クラーク・グレッグ |
音楽 | ラミン・ジャヴァディ |
撮影 | マシュー・リバティーク |
編集 | ダン・リーベンタール |
製作会社 | マーベル・スタジオ |
配給 |
パラマウント・ピクチャーズ[注釈 1] ソニー・ピクチャーズエンタテインメント |
公開 |
2008年4月14日 2008年5月2日 2008年9月27日 |
上映時間 | 126分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
製作費 | $140,000,000[1] |
興行収入 |
$585,174,222[1] $318,412,101[1] 9.4億円[2] |
次作 |
MCU インクレディブル・ハルク(2008年) アイアンマン アイアンマン2(2010年) |
MCUのフェーズ1の最初の作品として、2008年4月14日にシドニーでプレミア上映され、5月2日に米国で公開された。興行収入は5億8,500万ドルを超え、2008年の興行収入の第8位となった。本作は批評家から高い評価を受け、特にダウニーの演技が高く評価された。また、第81回アカデミー賞では、音響編集賞と視覚効果賞の2部門にノミネートされた。2010年には『アイアンマン2』、2013年には『アイアンマン3』の2作の続編が公開されている。
巨大軍需産業“スターク・インダストリーズ”の社長であるトニー・スタークは、自身が開発したクラスターミサイル“ジェリコ”のプレゼンテーションの為に、アフガニスタンにいる親友のジェームズ・“ローディ”・ローズ率いるアメリカ空軍を訪問した。しかし、車で移動中にテロ組織“テン・リングス”がトニーを襲撃、助けを呼ぼうとするトニーにミサイルを撃つ。命中の瞬間、トニーはミサイルに刻まれた自社のロゴマークを目撃し、爆風で吹き飛ばされ意識を失う。
気がつくと、トニーはテン・リングスの拠点である洞窟に拉致されており、胸には車載用バッテリーに繋がった電磁石が取り付けられていた。爆発の際飛び散ったミサイルの破片がトニーの心臓周辺に突き刺さり、電磁石で破片を引き留めておかなければ1週間で命を落とすという。テン・リングスの拠点には横流しされたスターク社製の武器が所狭しと並んでいた。トニーは解放の条件としてジェリコの組み立てを強要される。
やむなくトニーは、同じく捕虜で彼に電磁石を取り付けて救命措置を施したホー・インセン博士と一緒にエネルギーを生み出す熱プラズマ反応炉“アーク・リアクター”の小型版を、ジェリコ製作に見せかけて開発する。胸に接続して生命維持を可能にする小型アーク・リアクターを完成させたトニーは、続いてアーク・リアクターと連動するパワードスーツ“マーク1”を開発。インセンが自らの命を引き換えにして時間を稼ぎ、その間にアーマーを起動させたトニーは、圧倒的なパワーでゲリラを退けて脱出した。その後、マーク1が壊れてアフガニスタン辺境の砂漠に墜落したトニーは、ローディ率いる米軍の捜索隊に保護されてアメリカに帰還した。
トニーは自社製品がゲリラの手に渡り、それが人命を目の前で奪った事から、帰国後の記者会見で軍需産業からの撤退を宣言する。スターク社副社長のオバディア・ステインが役員会でトニーの解任要求を提出するも、彼は犯罪者やテロリストと戦うために私費と技能を投じて新たなアーマーの開発に着手した。試作品の“マーク2”を経て完成品のマーク3”を完成させ、トニーはローディや秘書のペッパー・ポッツ以外の誰にも正体を明かさず、1人でテン・リングスとの戦いを始める。
だが、トニーは自身が撃退したゲリラが、軍需産業からの撤退を宣言したはずのスターク社製の兵器を未だに使用していることに、社内の誰かがゲリラに内通し、裏で私腹を肥やしていると睨む。トニーの指示を受けたペッパーが内偵した結果、ペッパーはスターク社の乗っ取りを目論むオバディアがテン・リングスと繋がっていることを掴み、以前から自身に接触してきていた戦略国土調停補強配備局の捜査官、フィル・コールソンと共にオバディアの計画を阻止するため、行動を開始する。
トニーとペッパーに計画を知られたオバディアは、トニーへの復讐に燃えていたゲリラ達が回収したマーク1の残骸を元に自分用のパワードスーツ“アイアンモンガー”を開発する。またトニーを不意打ちし、彼の胸部のアーク・リアクターを彼が死ぬと分かって持ち去った。トニーは瀕死の中、マーク1で使用した旧型のアーク・リアクターを装着し復活。暴れまわるオバディア/アイアンモンガーに戦いを挑み、会社にある巨大なアーク・リアクターのエネルギーをオーバーロードさせて撃退する。
この事件を機に、謎のアーマーを着たヒーローはマスコミにより“アイアンマン”と名付けられ、一躍有名になっていた。マスコミからの記者会見でトニーは、ローディやコールソンの「正体を秘密にするように」との要請をあえて断り「私がアイアンマンだ」と公表し、彼は社長としてだけではなくスーパーヒーローとしても一躍有名になるのだった。
その後、S.H.I.E.L.D.の長官、ニック・フューリーが、トニーを訪ね「君にアベンジャーズの話をしに来た」と告げる。
本項の銃火器の多くは、テン・リングスに属するゲリラが使用するものだが、彼らは裏でオバディアと繋がっているため、西側諸国の最新銃を多数装備している。
軍用車両以外にも、下記のスターク邸の駐車場に駐めてあるものに加えて、ローディの愛車のダッジ・ラム(3代目)、オバディアがテン・リングスのキャンプに向かった際に乗車したシボレー・サバーバン 1500LS、ペッパーの愛車のアウディ・S5、ハッピーが業務で運転するロールス・ロイス・ファントムVII、コールソンの同僚たちが運転するクラウンビクトリア ポリスインターセプターなどが登場する。
この他にも、スターク・インダストリーズ本社屋社長室のモノクロポスターにB-24 リベレーターが写っている。
役名 | 俳優 | 日本語吹替 | ||
---|---|---|---|---|
劇場公開版 | テレビ朝日版 | 機内上映版[5][6] | ||
トニー・スターク / アイアンマン | ロバート・ダウニー・Jr | 藤原啓治[7] | 池田秀一 | 桐本琢也 |
ジェームズ・“ローディ”・ローズ | テレンス・ハワード | 高木渉 | 山寺宏一 | 高木渉 |
オバディア・ステイン / アイアンモンガー | ジェフ・ブリッジス | 土師孝也 | 壤晴彦 | 土師孝也 |
ペッパー・ポッツ | グウィネス・パルトロー | 岡寛恵 | 田中敦子 | 岡寛恵 |
クリスティン・エヴァーハート | レスリー・ビブ | 北西純子 | 魏涼子 | |
インセン | ショーン・トーブ | 井上倫宏 | 古川登志夫 | 井上倫宏 |
ラザ | ファラン・タヒール | 山野井仁 | 佐々木勝彦 | 山野井仁 |
フィル・コールソン | クラーク・グレッグ | 村治学 | 根本泰彦 | 村治学 |
J.A.R.V.I.S.の声 | ポール・ベタニー | 加瀬康之 | 東地宏樹 | 千々和竜策 |
ハロルド・“ハッピー”・ホーガン | ジョン・ファヴロー | 大西健晴 | 落合弘治 | |
アレン少佐 | ティム・ギニー | 根本泰彦 | 木村雅史 | |
パーティーの男 | スタン・リー | [8] | ||
ニック・フューリー | サミュエル・L・ジャクソン | 手塚秀彰 | [9] | 手塚秀彰 |
その他 | 岩崎ひろし 金子由之 八十川真由野 いずみ尚 丸山壮史 山口登 近藤広務 東條加那子 千々和竜策 大橋佳野人 小松史法 永吉ユカ 明石香織 |
土田大 東條加那子 花輪英司 小形満 星野貴紀 樋口あかり 合田絵利 堂坂晃三 坂巻学 おねがいレッド おねがいピンク |
||
演出 | 三好慶一郎 | 鍛治谷功 | ||
翻訳 | 岸田恵子 | |||
制作 | 東北新社 | ブロードメディア | 東北新社 | |
初回放送 | 2013年4月26日 『金曜ロードSHOW!』 21:00-22:54 |
2011年2月20日 『日曜洋画劇場』 21:00-23:09 |
||
回数 | 放送日 | 放送時間 | 放送分数 | 放送局 | 番組枠 | 吹替 | 視聴率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2011年2月20日 | 21:00-23:09 | 129分 | テレビ朝日 | 日曜洋画劇場 | テレビ朝日版 | 16.2% |
2 | 2013年4月26日 | 21:00-22:54 | 114分 | 日本テレビ | 金曜ロードSHOW! | 劇場公開版 | 12.4% |
3 | 2014年5月31日 | 21:00-23:10 | 130分 | フジテレビ | 土曜プレミアム | ||
4 | 2015年6月27日 | 8.4% | |||||
5 | 2016年1月4日 | 13:35-15:35 | 120分 | テレビ東京 | 午後のロードショー | 3.8% | |
6 | 2017年3月11日 | 21:00-22:59 | 119分 | BS朝日 | サタデーシアター | テレビ朝日版 | |
7 | 2017年8月19日 | 21:00-23:09 | 129分 | ||||
8 | 2018年4月28日 | 21:00-23:10 | 130分 | フジテレビ | 土曜プレミアム | 劇場公開版 | 7.3% |
9 | 2019年4月14日 | 12:00-14:20 | 140分 | BSフジ | テレビ朝日版 | ||
10 | 2020年4月29日 | 13:55-15:55 | 120分 | テレビ東京 | 午後のロードショー | 劇場公開版 | |
11 | 2022年7月18日 | 13:00-15:55 | 115分 | テレビ東京 | 午後のロードショー[10] |
パラマウント映画配給で2008年5月2日に封切られ、初登場第1位を記録した。週末ボックスオフィスでは歴代11位(公開当時)となる9861万ドル(約105億円)を記録した。ちなみに2008年12月現在の全米興行収入は、マーベル作品歴代ボックスオフィスの第4位(第1位~3位は『スパイダーマン』シリーズで、第5位は『X-MEN: ファイナル ディシジョン』)[11]。また、本作は最先端のVFXを用いた映像が高く評価され、第81回アカデミー賞において「視覚効果賞部門」にノミネート。第35回サターン賞ではSF映画賞・主演男優賞・監督賞の3部門を受賞した。
2022年12月14日、アメリカ議会図書館は本作品をアメリカ国立フィルム登録簿に追加することを発表した。MCUの作品がアメリカ国立フィルム登録簿に収録されるのは本作品が初めてとなる[12]。
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント配給で2008年9月27日に公開。初登場第1位を記録(日本で公開されたマーベル原作映画において、第1位獲得は2007年の『スパイダーマン3』以来1年ぶり)。
本作のヒットを受けて2作の製作も決定。脚本は『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』を執筆し、同作に出演したダウニー・Jr.を唸らせたというジャスティン・セロウが担当する[13]。ファヴロー監督や主要キャストの続投も報じられたが、メインキャラクターの1人「ジェームズ・ローズ」を演じたテレンス・ハワードは続編の製作決定直後、出演料に関してマーベル側と衝突し急遽降板。第2作『アイアンマン2』(2010年5月7日全米公開)以降は、ダウニー・Jr同様に原作の大ファンであるドン・チードルが代役として出演する[14]。この直後、本作に「ニック・フューリー」役でカメオ出演したサミュエル・L・ジャクソンも続編への関与を否定した[15]が、その後マーベル側と『アイアンマン2』『アイアンマン3』を含む9作に登場する契約を交わし復帰した[16]。『アイアンマン2』のヴィラン(悪役)には、ミッキー・ロークが「イワン・ヴァンコ(=ウィップラッシュ)」役[17]で、そしてサム・ロックウェルが原作におけるトニーの好敵手「ジャスティン・ハマー」役で登場することが決定した[18]。ちなみに一部マスコミではロークの降板が報じられ[19]ファンが激怒するという騒動もあったが、後にロークはこれらの報道を否定するため自ら出演に関してのコメントを寄せている[20]。また、時を同じくして登場が発表された「ナタリー・ラッシュマン(ナターシャ・ロマノフ=ブラック・ウィドウ)」役には、スカーレット・ヨハンソンが抜擢[21]。同役はエミリー・ブラントが交渉を受けた[22]がスケジュールの都合で実現しなかったという経緯があり、エリザ・ドゥシュクも同役を切望していたことを打ち明けている[23]。
また、本作以降のマーベル・スタジオ作品は、「マーベル・ユニバース」の4大ヒーロー(アイアンマン以外に「ハルク」「ソー」「キャプテン・アメリカ」が加わった4人)が一挙に登場する『アベンジャーズ』(2012年5月4日全米公開、同年8月14日日本公開)に繋がる一大プロジェクトであることも発表されており、同作ではファヴロー製作総指揮のもとダウニー・Jrがアイアンマンを演じた[24]。
日本のアニメ制作会社・マッドハウスが制作するアニメ作品が、2010年10月1日から12月10日までアニマックスにて放送された[25]。本国アメリカでは2011年にケーブルテレビ局のG4チャンネルで放送予定となっている。ただし舞台はアメリカから日本に変更されている。作品の監督を務める佐藤雄三によると「実写映画1作目からの流れで全体が構成されていて、今後のエピソードでいろいろつながっていく構成になっている」と話している[26]。なお、トニーとペッパーの吹き替えは、実写映画でも両名を担当した藤原・岡が引き続き行う。
2009年3月18日、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントよりBlu-ray Disc/DVD/UMDの3フォーマットでリリース。
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.