ガウス整数
実部と虚部が共に整数である複素数 / ウィキペディア フリーな encyclopedia
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ガウス整数(ガウスせいすう、英語: Gaussian integer)とは、実部と虚部が共に整数である複素数のことである。すなわち、a + bi(a, b は整数)の形の数のことである。ここで i は虚数単位を表す。ガウス整数という名称は、カール・フリードリヒ・ガウスが導入したことに因む。ガウス自身はガウス整数のことを複素整数(ドイツ語: Komplexe Ganze Zahl)と呼んだ[1]が、今日ではこの呼称は一般的ではない。
通常の整数は、b = 0 の場合なので、ガウス整数の一種である。区別のために、通常の整数は有理整数と呼ばれることもある。
数学的には一つ一つのガウス整数を考えるよりも、集合として全体の構造を考える方が自然である。ガウス整数全体の集合を Z[i] と表し、これをガウス整数環と呼ぶ。すなわち、
である(Z は有理整数環、すなわち有理整数全体の集合を表す)。その名が示すように、ガウス整数環は加法と乗法について閉じており、環としての構造を持つ。複素数体 C の部分環であるから、整域でもある。
Q を有理数体、すなわち有理数全体の集合とするとき、
をガウス数体という。ガウス整数環はガウス数体の整数環である。ガウス数体は、典型的な代数体であるところの円分体や二次体の一種であるので、ガウス整数環は代数的整数論における最も基本的な対象の一つである。