ダウノルビシン
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ダウノルビシン(daunorubicin)はダウノマイシン(daunomycin)とも呼ばれる、がんの治療に化学療法薬として用いられる薬剤である[1]。具体的には急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、カポジ肉腫の治療に用いられる[1]。投与法は急速静脈注射または点滴静脈注射である[1]。リポソーム化製剤であるリポソームダウノルビシン(liposomal daunorubicin)も存在する[1]。
概要 IUPAC命名法による物質名, 臨床データ ...
IUPAC命名法による物質名 | |
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臨床データ | |
販売名 | Cerubidine, others |
Drugs.com | monograph |
MedlinePlus | a682289 |
胎児危険度分類 |
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法的規制 |
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投与経路 | Exclusively intravenous. Causes severe necrosis if administered intramuscularly or subcutaneously |
薬物動態データ | |
代謝 | Liver |
半減期 | 26.7 hours (metabolite) |
排泄 | Biliary and urinary |
識別 | |
CAS番号 | 20830-81-3 |
ATCコード | L01DB02 (WHO) |
PubChem | CID: 30323 |
IUPHAR/BPS | 7063 |
DrugBank | DB00694 |
ChemSpider | 28163 |
UNII | ZS7284E0ZP |
KEGG | C01907 |
ChEBI | CHEBI:41977 |
ChEMBL | CHEMBL178 |
化学的データ | |
化学式 | C27H29NO10 |
分子量 | 527.52 g/mol 563.99 g/mol (HCl salt) |
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主な副作用は、脱毛、嘔吐、 骨髄抑制、口内の炎症などである[1]。その他の重度の副作用には心血管疾患、投与患部の壊死 などがあげられる[1]。妊娠中のヒトへの投与は胎児に害を与えるおそれがある[1]。ダウノルビシンは、アントラサイクリンに属する薬剤である[2]。作用機序はII型トポイソメラーゼの働きを阻害することで効果がある[1]。
ダウノルビシンは1970年4月に日本で承認を取得した[3]:1。米国で薬剤として承認されたのは1979年である[1]。世界保健機関の必須医薬品リストに掲載されており、最も効果的で安全な医療制度に必要とされる医薬品である[4]。開発途上国での卸売価格は20mgのバイアル1本につき約$5.79~$37.18米ドルである[5]。英国の国民保健サービスにかかる費用は20mgバイアル1本につき約£55.00ポンドである[2]。もとはストレプトマイセス属 から分離された[6]。