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音楽のロックジャンル ウィキペディアから
ハードコア・パンク (Hardcore punk) は、ロックのジャンルのひとつ。パンク・ロックのロックン・ロール色を排し、より暴力性や攻撃性を強調したジャンルである。略してHC、HxCxと書かれる場合もある。
1970年代末のニュー・ウェイヴの登場後、オリジナル・パンクの社会批判や、ラウドで荒々しいサウンドをより過激にしたパンク・バンド群がいた。彼らはハードコア・パンクと呼ばれたが、代表的なバンドにはデッド・ケネディーズ、ブラック・フラッグ(アメリカ)や、エクスプロイテッド、ディスチャージ(イギリス)[1] らがいた。ミドル・クラスの1977年のデモ音源[2] や1979年のデビューシングルのOut of Vogueは初期の例である。
1980年代は、情報量の少なさ、マイナー・レーベルのレコードの流通の悪さが顕著であった。1990年代以降になると、各国・各地域の地域性が希薄になり、各々のバンドのスタイルはルーツとするバンドの差異によるものが大きくなっていく。
1977年、ハードコアパンク出現前から活動していた日本のバンドSSは、日本においてはハードコアの元祖であった[3]。1980年代の日本のハードコアは、主にディスチャージ、G.B.H.、エクスプロイテッド、カオスUKなどの英国の80'sパンク/ハードコア・パンクから影響を受けたバンドが多かったが、1980年後半に入ると米国のクロスオーバー、スピードコアからの影響を受けたようなバンドも現われた。
1990年代以降の日本のハードコアバンドは、1980年代からの流れを汲むバンドも多い。ファット・レック・コーズやエピタフ・レコード、ファスト・コア、アナグラム・レコード、ロード・ランナー・レコードなどの、欧米のレコード・レーベルからの影響を感じさせるバンドも活動している。また、スラッシュメタルからの影響が強いバンドも90年代のバンドに存在する。
パンクバンドが身近な欲求不満や、未熟な自我の発露を歌詞にする傾向が強いのに対し、ハードコア・パンクは社会的・政治的なテーマを掲げているバンドもかなり存在する。その内容は反権力、反戦、反核、反宗教、反差別、アナキズムなど多様である[注 1]。中には反ドラッグ、反アルコールを主張した一部のバンドもいた。
パンクロックやヘヴィメタルのバンド・メンバーは、労働者階級出身者が多い。ハードコア・バンドのメンバーの場合は、労働者階級出身者が中心だが、中産階級出身者もいる。これは、ブルースやレゲエ、ヒップホップといったレベル・ミュージックのミュージシャンも同じである。
ヘヴィメタルは、思想性が薄くテクニックとサウンド重視であるのに対して、HCは音楽の背景にある環境が異なり、パンクロックの延長線上にある。しかし思想が異なっていても、ファッション面でヘヴィメタルの影響を受けていたり、スラッシュメタルなどの音楽性を借用するバンドもあり、一概には断定できない。
ハードコア・パンクには反戦、反核、反差別を捧げるバンドも存在するが、一部のバンドにはネオナチなどの極右勢力と関係の深いバンドが存在する。例えば英国のハードコア・パンク・バンドskrewdriverは、最初の反共産主義、ネオ・ナチ系バンドといわれている[4]。いったん活動休止し、活動再開後は白人至上主義や極右思想を声高に叫ぶバンドになった。メンバーのイアン・スチュアート・ドナルドソンは「ネオナチと連携している」と公言していた。バンドはイギリス国民戦線やイギリス国民党等の極右政党のプロパガンダとなり、党から資金援助を受ける。1993年にイアンが交通事故で亡くなったことで、活動を停止した。
しかし、世界には現在も活動を続行中のネオナチ・バンドも多い。CNNは、ヘイトブリードが「ホワイト・パワー」バンドとして批判されたことがあるという記事を掲載した。また、ウィキペディアの英語版には「ナチ・パンク (Nazi punk) 」の項目も存在する。日本では音楽中心のバンドが一般的だが、一部に右翼思想やレイシズムに感化されるバンド・メンバーやパンク・ファンが見られる。また、パンク・ファンやストレート・エッジの中には、左翼を名乗る右翼という変種も見受けられる。
イアン・マッケイ主催のディスコード・レコード、キル・ロック・スターズ・レコードや、ジェロ・ビアフラのオルタナティブ・テンタクルズ・レコードなどが知られている。
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