マルテンサイト
ウィキペディア フリーな encyclopedia
マルテンサイト(英: martensite)は、Fe-C系合金(鋼や鋳鉄)を安定なオーステナイトから急冷する事によって得られる組織である。体心正方格子の鉄の結晶中に炭素が侵入した固溶体で、鉄鋼材料の組織の中で最も硬く脆い組織である[1]。
1891年にドイツの冶金学者アドルフ・マルテンス(Adolf Martens)により発見され、マルテンサイトという名称も、彼の名前に由来している[2]。現在ではあまり使用されないが、組織形状が麻の葉に似ていることから、日本の冶金学者本多光太郎による麻留田(マルテン)という漢字の当て字がある[2]。