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日本の映画 ウィキペディアから
『仮面ライダー1号』(かめんライダーいちごう)は、2016年3月26日に全国東映系劇場にて公開された特撮映画作品。キャッチコピーは「原点にして頂点。爆音あげて蘇れ! ライダー変身!!」。
仮面ライダー1号 | |
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監督 | 金田治(ジャパンアクションエンタープライズ) |
脚本 | 井上敏樹 |
原作 | 石ノ森章太郎 |
製作 | |
製作総指揮 | |
出演者 | |
音楽 | |
主題歌 |
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撮影 | 倉田幸治 |
編集 | 大畑英亮 |
制作会社 | 東映テレビ・プロダクション |
製作会社 | 「仮面ライダー1号」製作委員会 |
配給 | 東映[注釈 1] |
公開 | 2016年3月26日 |
上映時間 | 96分[1] |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
興行収入 | 5億7,000万円[2] |
前作 | 仮面ライダー×仮面ライダー ゴースト&ドライブ 超MOVIE大戦ジェネシス |
次作 | 劇場版 仮面ライダーゴースト 100の眼魂とゴースト運命の瞬間 |
仮面ライダー45周年記念作品にして、メモリアルイヤーとなるスーパーヒーローイヤー2016年スペシャルプロジェクトの第1弾[3]であり、初代仮面ライダーの藤岡弘、演じる本郷猛 / 仮面ライダー1号を主人公に迎えた劇場用映画作品である[4]。藤岡を迎えたことについて、東映プロデューサーの白倉伸一郎は「テレビでは成しえなかった本郷猛の単独主演を全うして欲しかったという思いがあり、今まで一度もなかった『仮面ライダー』を映画で見たいと思ったんです」と語っている[5]。藤岡主演の仮面ライダー劇場版は1972年の『仮面ライダー対じごく大使』以来44年ぶりであり、藤岡は69歳にして変身を披露することになる[5]。
公開当時の仮面ライダーテレビシリーズ最新作品『仮面ライダーゴースト』のキャラクターも登場し[6]、テレビシリーズに先駆けて仮面ライダーゴースト 闘魂ロビン魂の活躍が描かれる[7][8]ほか、同作品のネット配信短編作品『仮面ライダーゴースト 伝説!ライダーの魂!』に登場したレジェンドライダー眼魂を用いての各派生形態も登場する[9]。また、同作品のDVDのみに収録される最終章「1号&平成編」では本作品に登場したウルガ怪人態とバッファル怪人態が再生され、眼魔ウルティマアレクサンダー/闇の意志の声をアレクサンダー眼魂の声を担当した飯塚昭三が担当するなど、本作品の後日譚となっている。なお、『小説 仮面ライダーゴースト 〜未来への記憶〜』収録の「仮面ライダーゴースト全史「魂の記憶」」によれば、 本作品は『ゴースト』テレビシリーズの第20話と第21話の間に位置するエピソードとされている[10]。
例年の同時期作品と異なり、本作品に歴代ライダー(仮面ライダー2号から仮面ライダードライブまで)やスーパー戦隊は登場しない。
監督は、『仮面ライダー』当時に駆け出しのスーツアクターとしてトランポリンアクションを担当するなど、藤岡と共演した経験を持つ金田治。脚本には、平成仮面ライダーシリーズの第1期で数多くの作品を執筆した井上敏樹が5年ぶりに登板している[6][注釈 2]。
敵幹部・地獄大使役は、『劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』で同役を演じた大杉漣が務める[6]。なお、本作品の公開から約2年後の2018年2月21日に大杉が急逝した際、藤岡は本作品での共演を挙げて大杉を追悼している[12]。
世界征服を企んだ悪の秘密結社ショッカーが本郷猛 / 仮面ライダー1号によって壊滅させられてから、半世紀近い歳月が流れていた。本郷は今なお、世界各地でショッカーの残党たちと戦い続けていた。
そんなある日、本郷はかつての師立花藤兵衛の孫娘である立花麻由が地獄大使を復活させるための生贄としてショッカー残党に狙われていることを知って帰国する。偶然、現代の若き仮面ライダーである天空寺タケル / 仮面ライダーゴーストと深海マコト / 仮面ライダースペクターと出会った本郷は、「何のために戦うのか」と2人に問い掛けつつ、麻由を守ろうと動き出す。長年に渡る激闘の日々により、己の改造人間としてのボディに重篤なダメージが蓄積され、限界が近づいていると知りながら。
一方、ショッカーの残党では内部分裂が起こり、「もう1つのショッカー」としてノバショッカーが誕生していた。ノバショッカーは、「力による世界征服」ではなく「経済による支配」を目指し、その手始めに日本を手中に収めようと動き出す。そして、麻由の体内に埋め込まれた謎の眼魂を巡り、本郷・ショッカー・ノバショッカーの三つ巴の戦いが繰り広げられてゆく。
人間の自由と平和のために戦い続けた男の物語は、終章を迎えるのか、それとも新たなる伝説の序章となるのか。
本作品オリジナルの登場キャラクターのみ記述。
本郷の宿敵である悪の秘密結社。仙人によると、日本で活動していたが歴代仮面ライダーに敗北した後、海外に活動拠点を移したとされ、原典とは大きく異なる。また、本郷もその残党と海外で長年戦い続けているという設定になっている。
本作品では地獄大使以外の大幹部やショッカー首領は登場せず、シオマネキング、毒トカゲ男、ガニコウモルの3名が実質上の幹部を務めている。内部分裂によって構成員の半数以上がノバショッカーに移籍して弱体化するという危機的状況に陥っており、失地回復の切り札となる地獄大使の復活を目指している。
『ゴースト』のテレビシリーズ第24話では、原典でバダンに所属していたヤマアラシロイドが、本作品のショッカー所属怪人として登場する。
ショッカーから離脱した者たちで結成された秘密結社。武力による世界征服ではなく経済の面から世界の征服を目論み[13][14]、日本中から電気を強奪してパニックに陥れたうえ、日本政府にそれに代わる新エネルギー「ノバエネルギー」の供給を提案する[15]。組織のシンボルマークは、「3つの首を持つ鷲」となっている。
主題歌・エンディングテーマの2曲は2016年3月23日に発売したサントラ盤『仮面ライダー1号 サウンドトラック』に収録されている[35]。
藤岡は企画から参加しており、制作陣と共に5か月をかけて脚本を完成させたという[36]。
藤岡のもとへ依頼が来たのは2015年春であり、「単独主演が可能なのか」と一瞬頭が真っ白になったが、原作の石ノ森章太郎らすでに鬼籍に入った恩師たちのことが浮かび、今も続く仮面ライダーシリーズに彼らの原点が息吹いていることに突き動かされた[26]。藤岡は「命の尊さを今の子供たちに訴えよう」と考える一方、「自分を追い続けてきたかつての子供たちを失望させてはいけない」と考え[37]、それゆえの不安を振り切ろうと筋トレなどに励んだ。そのためもあり、1号の新たな姿は貫禄を増した藤岡の体格を反映したものとなっている[38]。ただ、「本当は3年くらいは製作時間が欲しかった」そうである[39]。
依頼された当時は葛藤もあったが、平成仮面ライダーを見て「どうも違う。気を込めた元祖ライダーのメッセージが消えつつある」と違和感を持ったこともあり[40]、関係各位の応援や東映の励ましを受けて了承した藤岡は、1号の新たな姿に45年間の経験で増量した自分のことも含めてたくましさを感じると共に、1号の新たな愛車・ネオサイクロンもそれゆえにいきなり乗りこなすことになった[41][注釈 11]。また、本郷 / 1号を再び演じるに際して本作品の彼は自分そのものとも思っているほか、スケジュールこそNHK(日本放送協会)大河ドラマ『真田丸』と同時進行で大変だったものの、両方にエネルギーを込めて演じられたという[41]。
白倉は本作品の10数年前から藤岡の演じる本郷を主役にした映画を作りたいという構想を持っており、『オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー』で1号の声を、『平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊』で本郷 / 1号をそれぞれ藤岡に演じてもらったことで、「これならそろそろ具体化できるかな」と相談して実現に至った。45周年というメモリアルイヤーは絶好の機会でもあり、本当はタイトルを『仮面ライダー』とシンプルにしたかったが、「すでに膨大な数の仮面ライダーや作品が存在するので誤解を招く」と意見されたため、「1号」を付けたという[43]。そもそも、藤岡との初対面は『仮面ライダー』30周年の2001年のことであり[注釈 12]、彼には「50周年に向けて掘り下げて準備していくことはできないか」とも言われたが、白倉は「機が熟した」と進言して45周年を世間や製作委員会への建前に、企画を始動させた。数か月をかけて5パターンほどを推したプロットは公開当時に放送中の仮面ライダーであるゴーストと絡むことがかなり後から決まったうえ、藤岡と話をしていくうちに彼の発想の豊かさもあってどんどん広がってしまい、「いくつかを組み合わせれば絞れる」という白倉の想定を裏切って後悔する羽目になったという[44]。
藤岡の主演が決定してから監督に起用された金田は井上による脚本の中身を細かく詰めたが、当初の構想では立花藤兵衛の孫娘・麻由の年齢設定や本郷の関わり方が異なっており、井上は「ヒロインにも45年という歴史を背負わせたい」との思いから麻由が藤兵衛の孫という設定を考えたうえ、「ライダーが45年なら敵であるショッカーにも同じだけの時間が流れているだろう」とショッカー内部の世代抗争や地獄大使の登場を考えた[43]ほか、「1号にはどうしてもゴーストに敵わない部分がある」という思いから本郷に生死を超えた存在であるゴーストを超えさせるため、本郷が死を経て蘇生するという展開を考えたという[45]。また、起用された際には驚いたうえに光栄で誇りに思った金田は、「今回はこれまでのシリーズの中でも特別」と気合を込め、仮面ライダーのヒーロー像について藤岡と話し合ったという[46]。また、企画として関わった藤岡の考案により時代性も尊重し、数ある世界的な問題の中から、2011年3月の東京電力・福島第一原子力発電所での事故で高まった「エネルギー問題」の要素も取り込まれることとなった[47]。
2016年1月1日に本作品のタイトル・公開日と1号のデザイン画が公開された[48]後、同年1月28日にはマスコミ発表が行われ、本郷を藤岡が演じることや、1号の新たな姿とその愛車・ネオサイクロンの姿が発表された[36]。
2016年2月19日には、予告編がインターネット上で解禁された[49]。
2016年2月28日には、警視庁と東京都の「危険ドラッグ・薬物乱用防止啓蒙キャンペーン」とのタイアップポスターが公開された[50]。
2016年3月15日には、新宿バルト9にて完成披露イベントが開催され、1号のスーツを着てマスクを持った藤岡をはじめとする主要俳優陣が舞台挨拶に登壇した[51]。
2016年3月19日には、藤岡が本作品のキャンペーンで大阪市内を訪れ、ほぼ同年代のシルヴェスター・スタローンやブルース・ウィリス、リーアム・ニーソンらを例に挙げて自分の健在ぶりも披露した[52]。
2016年3月21日には、東京都港区のホンダウエルカムプラザ青山にて本作品の公開記念トークショーが開催され、藤岡がネオサイクロンと共に登壇した[53][54]。
2016年3月26日には、丸の内TOEI1にて初日舞台挨拶が開催され、金田と主要俳優陣が登壇した[55][56]。
2016年4月3日には、T・ジョイPRINCE品川にて大ヒット御礼イベントが開催され、藤岡がネオサイクロンを運転しながら西銘駿や山本涼介と共に登壇し[57]、その後の舞台挨拶にも3人で登壇した[58]。
2016年4月20日には、新宿バルト9にて開催された同年5月7日公開の日活映画『ヒーローマニア-生活-』の「完成ヒーロー上映会」(完成披露上映会)に、同作のタイトルにちなんだシークレットゲストとして本作品の1号が登場した[59]。
2016年12月26日には、通常よりも音量を上げて上映する仮面ライダー史上初の応援上映イベント「凄音&変身 超レベルアップ上映会」が丸の内TOEIにて開催され、本作品と同年12月10日公開の『仮面ライダー平成ジェネレーションズ Dr.パックマン対エグゼイド&ゴーストwithレジェンドライダー』が併映され、藤岡と西銘が舞台挨拶を行った[60]。
「仮面ライダー 魂のトリプルパック」と称して、以下のカードがそれぞれ入場者特典として、第1弾から第4弾までの全4種が配布された。また、特典の入った袋には『仮面ライダーアマゾンズ』の予告のQRコードが記載されている。
2016年3月26日 - 27日分の週末映画興行成績(興行通信社)では、動員数約12万4,000人、興収約1億5,500万円を記録し、第4位となった[63]。
2016年8月3日発売。Blu-ray / DVDでリリース。
読売新聞東京本社社長直属教育ネットワーク事務局専門委員兼ホール企画部企画プロデューサーの鈴木美潮は、本作品を「本郷猛のいる時代に生まれ合わせた幸せ」と評した[64]。
映画ライターの滝口アキラは、本作品を「藤岡弘、こそ日本のスタローン!『クリード』に涙した映画ファンなら必見の作品」と評した[65]。
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