刺客 (ティツィアーノ)
ウィキペディア フリーな encyclopedia
『刺客』(しきゃく、伊: Il Bravo, 独: Der Bravo, 英: The Bravo)は、イタリアのルネサンス期のヴェネツィア派の巨匠ティツィアーノ・ヴェチェッリオが1515年から1520年ごろに制作した絵画である。油彩。たがいの頭部を接近させ、しばしば表情やそのやり取りが謎めいている2人または3人の半身像を描いた、1510年代の数多くのヴェネツィア絵画の1つで、それらのほとんどは、主題のよく分からないであるジョルジョネスク様式あるいはトローニー(英語版)の作品であるが、この作品群には、様式の点で本作品とよく似ており、イエス・キリストを主要人物として描いた『貢の銭』(La moneta del tributo)や[2]、男性の正体はともかく女性の正体は明らかな『ルクレティアと夫』(Lucrezia e suo marito)も含まれている[3]。過去にはジョルジョーネやパルマ・イル・ヴェッキオに帰属されていた。初代ハミルトン公爵ジェイムズ・ハミルトン、バイエルン大公レオポルト・ヴィルヘルム・フォン・エスターライヒのコレクションを経て、現在はウィーンの美術史美術館に所蔵されている[1][4][5]。