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日本の男性声優、俳優、ナレーター (1928−2017) ウィキペディアから
大木 民夫(おおき たみお、1928年1月2日[1] - 2017年12月14日[5])は、日本の声優、俳優、ナレーターである。マウスプロモーションに所属。
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長年声優として活躍したことで、その声は幅広い年代に親しまれていた[6]。主な出演作に『X-MEN』シリーズ(プロフェッサーX)、『フランダースの犬』(コゼツ旦那)、『あしたのジョー2』(白木幹之介会長)、『トップをねらえ!』(タシロ艦長)、『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』『イノセンス』(荒巻大輔)、『交響詩篇エウレカセブン』(ケンゴー)、『ジョジョの奇妙な冒険』(トンペティ)、『planetarian 〜星の人〜』(星の人)、『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』(ターキン総督)などがある[7][8][9][10][6]。
東京府(現:東京都)出身[1][2]。第二次世界大戦中にナチスの高官が来日した際、学徒動員により歓迎の日の丸の旗を振りに行ったこともある[11]。
1946年、NHK放送劇団第2期研究生を皮切りに演劇界へ入り、ラジオ東京放送劇団(1952年)、東京俳優生活協同組合(1969年)を経て、1972年に江崎プロダクション(現:マウスプロモーション)へ所属。以後、亡くなるまで在籍していた。
初期はラジオドラマやテレビドラマを中心に活動。この頃、当時大学4年生の倉本聰が書いたラジオドラマ『この太陽』に加藤治子と2人で主役を演じたり[12]、1955年からTBSテレビで放送開始された特撮時代劇『猿飛佐助旅日記』では俳優として主演も務めた[13]。
1950年代から、『不二家の時間』で放送された『ラマー・オブ・ジャングル』の主役(ジョン・ホール)や『西部の男パラディン』の主役(リチャード・ブーン)など海外ドラマの吹き替えに勤しむ。以降は声優としてさまざまな媒体に数多く出演。
1963年に設立された日本放送芸能家協会(現:日本俳優連合)の設立発起人195名の一人であり[14]、実際に融資に応じた発起人83名のうちの一人でもある[15]。
80歳を超えても精力的に活動を続け、新海誠監督の『星を追う子ども』(2011年)や細田守監督の『おおかみこどもの雨と雪』(2012年)などのアニメーション映画、『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』(2010年)や『ホビット 決戦のゆくえ』(2014年)といった劇場公開用の吹き替えに出演。しかし、晩年は足を悪くしており、2015年に収録した『小さな恋のメロディ』では座りながらの収録であった(この時87歳であった)[16]。
2017年12月19日、同年12月14日に死去したことが発表された。89歳没。死因は非公表。葬儀は近親者で済ませた[17]。第12回声優アワードでは、特別功労賞に代えて同年度に死去した声優として他の物故者とともにを顕彰された[18]。この席上では名前だけでなく、事務所プロフィールの写真と代表作[注 1]がスクリーンに映し出され、大木のサンプルボイスの一つ『ふしぎ工房症候群』(ふしぎ工房の老人)の音声が会場内で流された。
アテレコ草創期から活動。キャリア最初期は主演が多かったが、後に脇へまわり重要な役どころを演じるようになった[19]。
声自体は太くないがしゃべり方に威厳があり、敵味方および役柄を問わず権力者を担当することが多い[19]。B級作品の出演では「威厳あるしゃべり方で映画の質を少しばかり上げることに貢献している」と評されることがあった[19]。
洋画ではランドルフ・スコットの西部劇、ロバート・デュヴァル、マックス・フォン・シドー、ジョージ・C・スコット、ロイド・ブリッジス、クリストファー・プラマー、シーザー・ロメロなどの渋い個性派やピーター・カッシング、クリストファー・リー、ヴィンセント・プライスなどの怪奇スターの吹き替えまで数多くの作品で担当している。
ディズニー作品ではアニメ、実写問わず吹き替えに起用されることが多かった。1977年劇場公開の『星の国から来た仲間』(デラニアン役)から2014年劇場公開の『ベイマックス』(フレッドの父親役)まで、49歳から86歳の長期間にわたりディズニーの吹き替えに携わった。大木が出演した『美女と野獣 ベルのファンタジーワールド』や『ターザン』、『ビアンカの大冒険』(ソフト版)で制作監修を務めた当時ディズニー・キャラクター・ボイス・インターナショナルの岡本企美子[20]は、大木が亡くなった際に「上品で重厚で知的な演技をありがとうございました。大木さんが出るだけでその作品に安定が生まれました。」とツイートしている[21]。
アニメ・ゲームにおいては、前記のように権力者を担当することが多く主役を演じる機会がなかったが、80歳を過ぎた2014年に発売されたゲーム『レオズ・フォーチュン』(レオ・ポンド役)や、2016年に公開された劇場アニメ『planetarian 〜星の人〜』(星の人役)においてそれぞれ主人公を演じた。
趣味は書道。大木の妻は書道教室を開いており、ミュージシャンの川久保秀一がかつて通っていた[4]。
オペラ(イタリアオペラ)に造詣が深く、その知識も豊富なものであった[22][23]。
プロ意識が高く、2011年に「声優としてどのジャンルの(吹き替えの)仕事が好きですか?」と聞かれた際は「全て。プロですから。」と答えている[24]。
生前は生涯現役の意向を持っており、『ふしぎ工房症候群』のインタビューでは願い事をするならば「死ぬ迄仕事を続ける事」と答えている[25]。また同作品の第7弾『風の軌跡』のアフレコ現場の雰囲気について、「自信・不安を抱えたら、スタジオに入り、テストの開始を待つ緊張感はいつも楽しいものです。『風の軌跡』は、重い、深いテーマを持ったドラマだけに、出演者一同、いつも以上の周到な準備と、「我こそ」という気概を感じたのは小生だけではないでしょう。」とコメントしている[26]。
同年代の大塚周夫はインタビューを受けた2009年当時、現役でアテレコをやっている80代で芝居を真剣に勉強してきた役者の一人に大木の名前を挙げていた[27]。
神谷明によれば、共演者に対して優しかったが、自身の仕事に対しては厳しく言葉を大事に演じていたという[28]。
『俺がハマーだ!』で共演した同年代の羽佐間道夫は、「言葉が実に明確で、テンションが実に安定している。安心して聴ける」と評している。また大木は「正確なしゃべり方」をしていたと言い、崩すということはなかったという[29]。
『ボードウォーク・エンパイア』で共演した多田野曜平は、「すごいパワフル。大勢いる声優陣の中でも一番声量がある」と語っており、同作品のオススメポイントの一つに大木の演技を挙げている[30]。また別のインタビューでは「大先輩の大木民夫さんは、主役はやったことがないけれど、常に主役を食っちゃう実力の持ち主。」と語っている[31]。ほかにも井上和彦は「小さな体からものすごい声量で、常に圧倒されました」[32]、桐本拓哉は「高齢だったが自身より声量も滑舌もしっかりしていた」[33]、アニメーターの益山亮司は「アフレコ現場でお見掛けした時は一番年長者であるにもかかわらず、誰よりも発声のある声でした」[34]と言い、東地宏樹は大木のことを「小さな巨人」と呼んでいた[35]。
同じ事務所の後輩の松本忍は、Twitter上で「(声帯的に)声優の寿命はどれくらいだと思いますか?」という質問に対して、「寿命は無いと思います。お亡くなりになる少し前の大木民夫さんと現場御一緒した事あったのですが、喋りだすと誰よりも声が大きく凛としていらっしゃいました。」と回答している[36]。
五十嵐麗は大木と共演した際、大木が演じるような役をやりたいと思ったとインタビューに答えている[37]。
中村悠一は大木が亡くなった際に「大木さんの仕事への姿勢は本当に好きだった。もっとご一緒したかった。」とツイートしている[38]。のちに自身がメインMCを務める『わしゃがなTV』にて、中村のWikipediaを取り上げる際に大木について言及している。どういう姿勢が好きだったのかについて中村は「どの年齢になられても、ベーシックな声優のやらなきゃいけないことを全部完璧にやってくる」ことを挙げている。通常、年齢によって反射神経が衰え、画面から演技がずれていくが大木にはそのような現象がなかったといい、「何度も見たり、そのタイミングを覚えてきたりする」ことを話し、その姿勢を「プロ意識の高さ」と評した。また物腰もすごく丁寧で言い間違えも絶対しなかったという。ほかにも「当時の若手達はみんな憧れていた」「先輩達が叱る時に引き合いに出していた」ことを語っている[39]。
『ふしぎ工房症候群』の原作者竹内葵は、大木について「大ベテランのしっかりした役作りで作品に深みを加えていただけました。」と述べ、同作の一部で主演だった竹達彩奈は「いらっしゃるだけで重厚な存在感を感じました。おかげで、同年代の役者だけでは得られない緊張感を持って演じることが出来ました。」と発売記念イベントで語っている[40]。
『アークライズファンタジア』の企画スタッフは、音声収録の現場の思い出として大木に心底やられたといい、仕事柄、プロの耳を持っている録音エンジニアも、「すごかった。いい経験をさせてもらいました。」と嬉しそうに話していたのが印象的だったという。「美しいばかりか、優しさも、厳しさも、面白さも含まれている、筆舌に尽くしがたい声で、あの時間、あの場所にいた全員がほれていた。」と開発ブログに記している[41]。
『planetarian 〜星の人〜』で共演した小野大輔によると、大木は劇中の星の人が星空の魅力を語って聞かせるように、収録現場の休憩時間などにおいて自身のさまざまな体験を語って聞かせることがあり、監督の津田尚克も以前大木から話を聴く機会があったため、大木に星の人役をお願いしたという[42]。原作シナリオの涼元悠一は、大木の演技を「軽妙と重厚が同時に表現されていて、自然に心に染み入る語り口。感想がまとめられないレベルで凄い。」と評している[43]。映画文筆家の増當竜也は大木の演技に対して、淡々とした静かな声量の奥から伝わってくる威厳とそれゆえの説得力は、まさに人生の年輪を感じさせる素晴らしきものがあると評し、特に声優志望者がこういった“プロ”の仕事は努めて接しておくべきだと書き記した[44]。
『宇宙戦艦ヤマト』のリメイク作品である『宇宙戦艦ヤマト2199』でフラーケン役の中田譲治は演じるにあたって、「オリジナルのときは大木民夫さんがやっていたので、光栄だなと思ったんです。」と述べている[45]。
訃報が発表された際には、長年活動し数多くの作品に出演したことから、さまざまな世代の多くの声優や制作スタッフがブログやTwitterで追悼のコメントを寄せている。
阪脩とは『攻殻機動隊』の荒巻大輔役や『ジョジョの奇妙な冒険』のトンペティ役、『コマンドー』のカービー将軍役など、同一の役を演じる機会が多い。『攻殻機動隊』に関しては、音響監督の若林和弘が「劇場版のとき(大木が演じた荒巻)は、もうすぐ定年でパワーが落ちてきている方向だったが、テレビアニメ版(阪が演じた荒巻)は現役バリバリという方向だったため」と大木と阪の起用の違いを述べている[46]。なお、テレビアニメ版で大木は『S.A.C. 2nd GiG』の18話に出演、主人公の素子とバトーが参加したチームの指揮官ローランドを演じた。他にも久米明(ハンフリー・ボガートの吹き替え、『ダラス』のジョン・ロス・ユーイング役、『タイタニック』のE・J・スミス船長役など)や川久保潔(『ロードス島戦記』のウォート役、『ポリスアカデミー』のエリック・ラサール校長役、『小さな恋のメロディ』の校長先生役など)とも同一の役を演じることがある。
千葉耕市とはラジオ東京放送劇団以来の友人であり、千葉の死後に『勇者王ガオガイガーFINAL』でペイ・ラ・カイン役を引き継いでいる。また、晩年は同年代の故人となった声優の持ち役を引き継ぐ機会が多く、前任者と作品は以下の通りである。
前任 | 役名 | 作品 | 大木の初出演 | 担当年 |
---|---|---|---|---|
千葉耕市 | ペイ・ラ・カイン | 『勇者王ガオガイガーFINAL』 | FINAL.06 | 2002年 |
宮内幸平 | アルムおんじ | 『アルプスの少女ハイジ』 | チューリッヒ自動車保険のCM | 2006年 |
早野寿郎 | アントン・カリディアン | 『宇宙大作戦 殺人鬼コドス』 | デジタルリマスター版追加録音部分 | 2008年 |
高塔正翁 | エイルボーン | 『宇宙大作戦 クリンゴン帝国の侵略』 | ||
寺島幹夫 | ザリス | 『宇宙大作戦 惑星アルギリスの殺人鬼』 | ||
宮川洋一 | オデイン | 『宇宙大作戦 長寿惑星ギデオンの苦悩』 | ||
青野武 | 雨柳堂主人 | 『雨柳堂夢咄』 | モーションコミック版 | 2010年 |
北村弘一 | ヤギ画伯 | 『それいけ!アンパンマン』 | 2012年 | |
柏崎念至 | 『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』 | 『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 新京都編』 | ||
家弓家正 | サルマン[注 2] | 「ホビット三部作」 | 『ホビット 決戦のゆくえ』 | 2014年 |
スター・ウォーズシリーズとハリー・ポッターシリーズでは、映画の吹き替えとゲームで逆の立場の人物を担当している。スター・ウォーズシリーズでは、映画は初代デス・スターの司令官グランド・モフ・ウィルハフ・ターキン(ソフト版・日本テレビ新録版)と銀河帝国 の皇帝(EP5:日本テレビ版)を、ゲームはジェダイの騎士であるオビ=ワン・ケノービ を演じた。ハリー・ポッターシリーズでは、ゲームはホグワーツ魔法魔術学校の校長アルバス・ダンブルドアを[注 3]、映画はかつての闇の魔法使いでダンブルドアに倒されたゲラート・グリンデルバルドを演じた。
ナレーションの仕事も多い大木だが、アニメ『砂ぼうず』にてナレーションを担当した際はその文に戸惑いがあったといい、初回のとある話数のアフレコ終了後「こんなバカなナレーションでいいんでしょうか……?」と不安そうに監督につぶやいたこともあったという(これに対し監督は「おバカアニメですから……。」と答えた)[47]。また『砂ぼうず』の5話と6話においては、村長役として西村知道がゲスト出演していたため、次回予告は『トップをねらえ!』のタシロ艦長(大木)と副長(西村)との名台詞のパロディ (「撃って撃って撃ちまくれ!」、「なんてこった!」など)になっていた[48]。
『ロードス島戦記』の現場において兵士役で出演し当時新人だった置鮎龍太郎 は、カシュー王役の池田秀一がロビーにいた大木に対して「大木先輩〜!」と呼んでいるのになぜか感動したという[49]。また『ロードス島戦記』は後年に発売された『ロードス島戦記 邪神降臨』でキャストの一新が行われたが、唯一ウォート役の大木のみ続投した。
劇場アニメ『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』(1995年)を一部リニューアルした『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊2.0』(2008年)において、再び荒巻大輔を演じるため台本を受け取ったときには、「13年前に、やり残したことがある…」と発言している[50]。『おおかみかくし』のキャストコメントでは、演じた櫛名田重三役について、「狂燥と沈静、その落差の大きいコト!それをうまくコントロールしていけるか。 しかし『難しい役』とは「やりがいのある役」。」と語っている[51]。
『ジョジョの奇妙な冒険』で演じたトンペティ役については、ゲームの発売記念コメントで「『トンペティの目線→音声。眼力→台詞の強さ。目色→性格』でセリフを進めて行こうと思いましたが、想像を絶したキャラクターを持つ彼に、はね返されてしまったようです。」と述べている[52]。
2012年頃より、一部の役を降板している。その後大木は病気療養に入り、2017年に死去した。それらに伴う代役・後任は以下の通り。
ただし、他の声優も総入れ替えされた作品はこの趣旨から外れるため、この表には記載しない。
後任 | 役名 | 作品 | 後任の初出演 | 担当年 |
---|---|---|---|---|
広瀬正志[注 4] | スパッツ・コロンボ[53] | 『お熱いのがお好き』 | WOWOW追加収録部分 | 2012年 |
銀河万丈 | 魔法の鏡 | 『白雪姫』 | 『ディズニー・オン・アイス デア・トゥ・ドリーム』 | |
永井一郎[注 5] | 死神博士 | 『ドリームハンター麗夢』 | 『超ヒロイン戦記』 | 2014年 |
小形満 | ターキン総督 | 「スター・ウォーズシリーズ」 | 『スター・ウォーズ 反乱者たち』 | 2015年 |
伊藤和晃 | 『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』 | 2016年 | ||
樋浦勉 | ルー・マンハイム | 『ウォール街』テレビ朝日版 | WOWOW追加収録部分 | |
平野俊隆 | マシドラ | 『テイルズ オブ ゼスティリア』 | 『テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス』 | 2017年 |
阪脩 | ホルテンヴァッサー | 『FはFamilyのF』 | シーズン2 | |
麦人 | プロフェッサーX[注 6] | 「X-MENシリーズ」 | 『LOGAN/ローガン』 | |
永石定嗣[54] | 『CAT'S EYE』 | 『ルパン三世VSキャッツ・アイ』 | 2023年 | |
岩崎ひろし | テルヒ・クゼミ | 『交響詩篇エウレカセブン』 | 『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』 | 2017年 |
高桑満 | フレッドの父親[注 7] | 『ベイマックス』 | 『ベイマックス ザ・シリーズ』 | 2018年 |
大塚芳忠 | ギルデンスタン | 『鬼武者』 | 『鬼武者 HDリマスター』 | |
上別府仁資 | ユリウス・ロゼマイヤー将軍 | 『荒鷲の要塞』日本テレビ新版 | ムービープラス追加収録部分 | 2021年 |
間宮康弘 | 魔法の鏡 | 『白雪姫』 | 『ミッキーマウスのワンダフルワールド』 | |
『白雪姫』の魔法の鏡役は『ファンタズミック!』(2011年)まで、『ドリームハンター麗夢』の死神博士役は『NEWドリームハンター麗夢 殺戮の夢幻迷宮』(1992年)まで、『スター・ウォーズ・シリーズ』のターキン総督役は『アニメクローン・ウォーズ』(2011年)まで、『X-MEN』シリーズのプロフェッサーX役は『X-MEN: フューチャー&パスト』(2014年)まで、『交響詩篇エウレカセブン』のクゼミ役は 『交響詩篇エウレカセブン ポケットが虹でいっぱい』(2009年)まで担当していた。
「スター・ウォーズ・シリーズ」のターキン総督の吹き替えは上記のとおり降板しているが、ピーター・カッシング(EP4『新たなる希望』のターキン総督役)の吹き替えは『ホラー・エクスプレス/ゾンビ特急地獄行』(2015年)において担当している。当時87歳の大木がキャスティグされた理由として、BD発売元である株式会社スティングレイ代表であり、同作品の日本語吹替プロデューサーでもある岩本克也は、「かつての洋画劇場の雰囲気を出したかったので、極力当時活躍されていた方をキャスティング。ピーター・カッシングには何度もアテられている大木民夫氏。」と述べている[55]。2018年に同社のBDの販売が終了する際、Twitterでは、本ソフト一番の特典は大木も出演した「完全新録日本語吹替」であると記した[56]。本作の吹き替えが製作された過程として、1977年に『水曜ロードショー』にて放映が予定されていた本作だったが、放映はされなかった[56]。BDをリリースするにあたってその未製作の吹き替えを再現すべく、新録で吹き替えが作られた。通常、この規模の旧作を新録で吹き替えを作ることはなく、担当の暴走であったという[57]。キャスティングには難航したが、リー=佐々木勝彦、カッシング=大木、サヴァラス=森山周一郎という完全な布陣が実現できたのは奇跡のようで、この吹き替えを作るために、本作をリリースしたと言っても過言ではなかったという[58]。
太字はメインキャラクター。
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