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漫画『ドラえもん』の短編エピソードのひとつ(1974年発表) ウィキペディアから
「帰ってきたドラえもん」は、漫画『ドラえもん』の短編エピソードのひとつ(1974年発表)。本作を原作としてテレビアニメが2つ、アニメ映画が2つ作られている。
1974年3月に『小学四年生』4月号にて藤子不二雄名義で発表された。藤本弘による単独執筆作。エピソード名は「帰って来たドラえもんの巻」。全10頁。全77コマ。前号には「さようなら、ドラえもん」が掲載され、その最終頁には「4月号につづきます」と記載されていた。
1975年5月発売のてんとう虫コミックス第7巻に収録された際にエピソード名が「帰ってきたドラえもん」の表記となり、加筆・修正が行われ全12頁、全88コマの作品となった(2009年発売の藤子・F・不二雄大全集4巻にも収録)。
ドラえもんが未来へ帰ってしまったため、無気力な日々を過ごしていたのび太が、ある日スネ夫から「ツチノコをみつけた」、ジャイアンから「そこでドラえもんと会った」と知らされたことから始まる物語。
漫画を原作としたテレビアニメが2つ作られている。放送日とエピソード名は以下の通り。
1月3日に「'81お正月だよ!ドラえもん」(1月1日から3日連続で放送された特番)内にて放送。漫画の「さようなら、ドラえもん」と「帰ってきたドラえもん」を組み合わせてひとつにした作品。約21分。
1984年12月31日(大晦日)・1994年・1997年のスペシャル放送で再放送された。DVD『ドラえもんコレクションスペシャル 春の4』に収録。
3月20日に「ドラえもん 30周年スペシャル」内にて放送。漫画の「さようなら、ドラえもん」と「帰ってきたドラえもん」を組み合わせてひとつにした作品。約31分。ジャイアンとの対決は空き地で行われる。
1998年3月7日に、劇場用アニメ映画『帰ってきたドラえもん』として公開された。同時上映の長編作品は『ドラえもん のび太の南海大冒険』。
漫画の「さようなら、ドラえもん」と「帰ってきたドラえもん」を組み合わせてひとつにした作品。27分。
本作では原作漫画では登場しなかったしずか、ドラミ、のび太のおばあちゃん(のび太の回想シーンのみ)が登場するなどの大幅な追加と変更が行われている(「#原作漫画との相違点」を参照)。
渡辺歩が監督する『映画ドラえもん』の中編シリーズ5部作の第1作である[1]。
本作から2002年の『ぼくの生まれた日』までの5作の中編映画は、原作者である藤子・F・不二雄の没後、その心を受け継ごうとする者たちが、原作漫画の中から選んだ作品を映画化したもので、「ドラえもん感動シリーズ」と呼ばれる[2]。この5作で監督を務めた渡辺歩は、後年に『のび太の恐竜2006』の監督も務めた[2]。
いつものようにジャイアンにいじめられ、ドラえもんに泣きつくのび太。しかし、ドラえもんは憂鬱そうな感じを見せる。実はドラえもんは未来の世界へ帰らなければならなくなったのだ。のび太は必死に止めるがパパの言葉と亡き祖母との思い出のダルマを経て、「ダルマと同じように転んでも起き上がる」ことを思い出し、ドラえもんとの別れを受け入れることにする。
お別れパーティーを終えた後、寝付けないことから夜の町を散歩する2人。ドラえもんが離れている間、のび太は同じように夜の散歩をしていたジャイアンと遭遇。昼間の件から殴ろうとするジャイアンに対し、のび太はドラえもんから心配を払拭させるべく、無謀を承知で単身ジャイアンに挑む。いなくなってしまったのび太を探すドラえもんの目に映ったのは何度殴られてもジャイアンに立ち向かったのび太がジャイアンを根負けさせた光景だった。ボロボロの身ながらも自分だけの力でジャイアンに勝ったことを誇らしげに語るのび太に涙するドラえもんはのび太を連れ帰り、眠ったのを見届けた後、未来の世界に帰還する。
のび太はドラえもんがいない寂しさを噛みしめながら、ドラえもんはのび太との最後の思い出の場所である公園跡地に毎日のように足を運びながら、日々を過ごす。それでも2人はしずかやドラミたちの気遣いもあり、前を向こうとしていた。
そんなある日、のび太はジャイアンから「ドラえもんを見かけた」と教えられる。どら焼きを買い、ドラえもんを探し回るのび太だが、そのドラえもんはスネ夫が化けた偽物であり、全てはジャイアンがエイプリルフールにかこつけて、先日のケンカの仕返しに行ったことだった。悔しさと怒りのあまり、自分を心配して様子を見に来たしずかを意に介さず、落としたどら焼きも置いて逃げ帰ったのび太はドラえもんが残した道具・ウソ800を使い、言ったことを嘘にすることでジャイアンとスネ夫に仕返しするが急に空しくなり、2人を許す。
帰宅したのび太はママに「ドラちゃんには会えたの?」と問われて「ドラえもんは帰ってこない」と返答する。自室に戻ったのび太の目に映ったのは本物のドラえもんであった。ウソ800の効力が残っていた為、ドラえもんは帰ってこないことが嘘になったのだ。のび太を心配して様子を見に来たしずかや大量のどら焼きを持って、お詫びに来たジャイアンとスネ夫もドラえもんと再会を果たし、皆、和解するのだった。
本作で描かれている原作漫画とは異なる場面の例を以下に挙げる。原作漫画での描写が併記されていない場面は、原作漫画にはない場面。本アニメ作品は原作者で漫画作者の藤本の死去後に作られたため、変更箇所はいずれも原作者の承認を受けたものではない。
予告映像では原作漫画「さようなら、ドラえもん」の最終コマが使用されている。原作漫画では、のび太はドラえもんがいなくなった寂しさを噛みしめながらも乗り越えることを誓っているが、本作の予告映像では、のび太はドラえもんが帰ってくることを願い、ドラえもんの声を聴いて喜んでいる。
2005年にスペインでテレビ放送された[4]。
2014年に、劇場用3Dアニメ映画『STAND BY ME ドラえもん』(8月8日公開)内のエピソードのひとつとして映画化された[5]。
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