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2003年制作の日本のテレビアニメ番組、メディアミックス作品 ウィキペディアから
『鋼の錬金術師』(はがねのれんきんじゅつし)は、荒川弘の漫画『鋼の錬金術師』を原作としたボンズ制作の日本のファンタジーアニメ。テレビアニメ作品として2003年10月4日から2004年10月2日まで毎日放送制作・TBS系列ほかにおいて放送された。
キャッチコピーは「とりもどせ、すべてを」。
本作品は原作の連載終了の目途も立っていない時期に制作されており、毎週放送では原作に追いついてしまうため、原作者である荒川弘の意向によって、ほとんどのストーリーや世界観、登場人物の設定などが異なる[1]。物語の序盤は原作に沿ったストーリーが展開されるが、原作第7巻以降の登場人物は登場せず、中盤以降は完全アニメオリジナルのストーリーとなり、いわゆる物語の“黒幕”となる存在やその目的、主人公たちが迎える物語の結末も原作とは異なる。
タイトルに「FULLMETAL ALCHEMIST」とあるが、2009年に再アニメ化された『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』との差別を図るため、本作品では用いられない。
2005年には本作品の最終話の後日談を描く完結編として、『劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者』が松竹の配給で上映された。
原作漫画に準拠した内容での進行は、2009年の『FA』からで、製作や放送ネットこそ本作品と同じくボンズかつTBS系列であるが、一部スタッフやキャストが変更になっている(プロデューサーの丸山博雄や南雅彦、主人公のエルリック兄弟の声優などは続投)。また、2011年に上映された劇場版『鋼の錬金術師 嘆きの丘の聖なる星』の配給も2005年の劇場版と同じく松竹が担当しているが、こちらも本作品との物語上の関わりはない。
最高視聴率は8.4%、平均視聴率は前半で7%前後、後半で5%を記録し[2]し、毎日放送制作土曜夕方6時枠のアニメ(土6)の前番組『機動戦士ガンダムSEED』や後番組『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』同様ヒット作となった[3][4]。また、後述にあるように国内外において数々の賞を受賞した。監督の水島精二は「過去関わったどの作品よりも反響は大きかった」と発言している[5]。第10話「怪盗サイレーン」では女優の白石美帆がクララ(サイレーン)役で声優に初挑戦し、芸能関連メディアにも取り上げられた。2008年4月にオリコンが行った「今までで最も面白かったテレビアニメ」のアンケートで第9位に選出された[6]。
水島監督は「アニメ版は二次作品」[7]、原作者の荒川弘は「根っこの部分さえ取り違えなければ思い切りやっちゃってOK」、「原作と全く同じならアニメという別メディアに乗せる必要は無いと思うので」[8]とそれぞれ発言している。しかし、原作と異なる(サスペンスの要素を取り込んだ)物語や登場人物の扱われようの違いから、本作品に対する評価は賛否両論に分かれている[5]。
この他、本作品の主題歌やオムニバスなどのヒットが挙げられる。
錬金術が科学として発達した世界にある軍事国家「アメストリス」。そこで、幼いころから共に卓越した錬金術の才能を持っていたエドワード・エルリック(エド)と弟のアルフォンス・エルリック(アル)は、病気で亡くした母を錬金術で最大の禁忌とされる「人体錬成」によって蘇らせようと試みるが失敗し、エドはその代償として自らの左脚を、アルは自らの全身を失ってしまう。エドはとっさの判断で自らの右腕を代償にアルの魂をその場にあった全身鎧に定着させ、なんとか弟を死の淵から救い出す。しかし、エルリック兄弟が失ったものはあまりにも大きかった。
その後、「国家錬金術師」と呼ばれる国家資格を取れば高額な研究費が支給され、特殊文献の閲覧や国の研究施設の利用が可能となり、身体を取り戻す方法を見つけられるかもしれないという話がエドの耳に入る。機械鎧技師であるピナコ・ロックベルとピナコの孫で幼馴染のウィンリィ・ロックベルに「機械鎧」(オートメイル)と呼ばれる鋼の義手と義足を身に着けてもらうことを決意したエドは、1年間のリハビリを経てアルとともに国家錬金術師の試験を受ける。人体錬成を行ったことにより、手のひらを合わせただけで錬成を行えるという能力を得ていたエドは、国家錬金術師の資格を史上最年少で取得する。鋼の右腕と左脚を持つことから国家錬金術師としての二つ名「鋼」を与えられたエドは故郷を捨て、アルとともに身体を取り戻す方法を探すための長い旅へ旅立った。
旅を続けていくうち、錬金術の基本原理である等価交換の法則を無視してわずかな代価で莫大な錬成を行うことができるようになるという「賢者の石」の噂を聞いたエルリック兄弟は、この賢者の石を使って自分たちの本当の身体を取り戻そうと研究を進めていくが、やがて「賢者の石の精製には大量の人間の命が必要」という驚くべき事実にたどり着く。一旦は絶望に暮れるが、アルの身体を取り戻したいエドは「ホムンクルス」と呼ばれる者たちに導かれ、人間の命を使って賢者の石の錬成を行うことを決意する。しかし、エドは錬成の直前で「やはり人間の命を使うことはできない」とあきらめてしまう。
その後、人間の命を使わずに賢者の石を錬成する方法を探すうち、アル自体が賢者の石として錬成され、所属していた軍からも追われる立場となってしまう。エルリック兄弟の行く手には、まだいくつもの苦難が待ち受けていた。
基本的に設定は原作と大きな差異は無い。ここでは原作と違う物を挙げる。その他のものは、原作の用語欄(鋼の錬金術師#用語)を参照。
以上の人物については各個別項目を参照。
エド、アル以外の登場人物については鋼の錬金術師の登場人物一覧 (アニメ)を参照。
下記の歴代オープニングテーマ曲とエンディングテーマ曲を網羅したアルバム『鋼の錬金術師 COMPLETE BEST』が、オリコンチャートアルバム部門で初登場で1位を獲得。これは、アニメCDのオリコン首位獲得は史上4作目であることに加え、アニメのコンピレーションアルバムとしては、史上初の1位獲得という快挙であった[14]。また、同アルバムは、第19回ゴールドディスクアニメーションオブ・ザ・イヤーを受賞している[15]。
話数 | 放送日 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 | DVD収録 |
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第1話 | 2003年 10月4日 | 太陽に挑む者 | 會川昇 | 水島精二 | 角田一樹 | 伊藤嘉之 稲留和美 | 第1巻 |
第2話 | 10月11日 | 禁忌の身体 | 安田賢司 | 菅野宏紀 | |||
第3話 | 10月18日 | おかあさん… | 金子伸吾 | 伊藤秀樹 小栗寛子 | 第2巻 | ||
第4話 | 10月25日 | 愛の錬成 | 井上敏樹 | 安田賢司 | 中村賢太朗 | 芝美奈子 | |
第5話 | 11月1日 | 疾走! | 吉永亜矢 | 笹木信作 | うえだしげる | 古賀誠、中本尚子 中澤勇一 | |
第6話 | 11月8日 | 国家錬金術師資格試験 | 高橋ナツコ | 角田一樹 | 松浦錠平 | 門智昭 | |
第7話 | 11月15日 | 會川昇 | 安田賢司 | 稲留和美 | 第3巻 | ||
第8話 | 11月22日 | 賢者の石 | 橘正紀 | 秦義人 | 向田隆 | ||
第9話 | 11月29日 | 軍の | 高山カツヒコ | 横山彰利 水島精二 | 大槻敦史 | 菅野宏紀 | |
第10話 | 12月6日 | 怪盗サイレーン | 井上敏樹 | 京田知己 | 橋本昌和 | 関口可奈味 | |
第11話 | 12月13日 | 砂礫の大地・前編 | 高橋ナツコ | 角田一樹 | 伊藤秀樹 | 第4巻 | |
第12話 | 12月20日 | 砂礫の大地・後編 | 石川学 | 笹木信作 | 阿宮正和 | 門智昭 | |
第13話 | 12月27日 | 焔 vs 鋼 | 會川昇 | 安藤真裕 | 小栗寛子 | ||
第14話 | 2004年 1月10日 | 破壊の右手 | 岩崎太郎 | 向田隆 | |||
第15話 | 1月17日 | イシュヴァール虐殺 | 安田賢司 | 稲留和美 | 第5巻 | ||
第16話 | 1月24日 | 失われたもの | 京田知己 | 橋本昌和 | 関口可奈味 | ||
第17話 | 1月31日 | 家族の待つ家 | 高橋ナツコ | 角田一樹 | 菅野宏紀 | ||
第18話 | 2月7日 | マルコー・ノート | 石川学 | 笹木信作 | 大槻敦史 | 杉浦幸次 | |
第19話 | 2月14日 | 真実の奥の奥 | 高山カツヒコ | 中津環 | 伊藤秀樹 | 第6巻 | |
第20話 | 2月21日 | 守護者の魂 | 岩崎太郎 | 向田隆 | |||
第21話 | 2月28日 | 紅い輝き | 會川昇 | 安藤真裕 | 小栗寛子 | ||
第22話 | 3月6日 | 造られた人間 | 増井壮一 | 橋本昌和 | 関口可奈味 | ||
第23話 | 3月13日 | 鋼のこころ | 高橋ナツコ | 安田賢司 | 稲留和美 高橋久美子 | 第7巻 | |
第24話 | 3月20日 | 思い出の定着 | 井上敏樹 | 笹木信作 | 小高義規 | 古賀誠 | |
第25話 | 3月27日 | 別れの儀式 | 會川昇 | 増井壮一 | 角田一樹 水島精二 | 菅野宏紀 伊藤嘉之 | |
第26話 | 4月3日 | 彼女の理由 | 高橋ナツコ | 岩崎太郎 | 河野稔 向田隆 | ||
第27話 | 4月10日 | せんせい | 高山カツヒコ | 安藤真裕 | 伊藤秀樹 | 第8巻 | |
第28話 | 4月17日 | 一は全、全は一 | 大和屋暁 | うえだしげる | 前田明寿 | ||
第29話 | 4月24日 | 汚れなき子ども | 會川昇 | 中津環 | 富岡隆司 矢崎優子 | ||
第30話 | 5月1日 | 南方司令部襲撃 | 増井壮一 | 橋本昌和 | 関口可奈味 | ||
第31話 | 5月8日 | 罪 | 安田賢司 | 稲留和美 | 第9巻 | ||
第32話 | 5月15日 | 深い森のダンテ | 會川昇 大和屋暁 | 橘正紀 | 岩崎太郎 | 向田隆 | |
第33話 | 5月29日 | 囚われたアル | 大和屋暁 | 岩崎太郎 | 角田一樹 | 菅野宏紀 | |
第34話 | 6月5日 | 強欲の理論 | 増井壮一 | 福多潤 | 窪敏 宮前真一 | ||
第35話 | 6月12日 | 愚者の再会 | 井上敏樹 | 安藤真裕 | 伊藤秀樹 小栗寛子 | 第10巻 | |
第36話 | 6月19日 | 我が内なる | 會川昇 | 安田賢司 | 橋本昌和 | 関口可奈味 | |
第37話 | 6月26日 | 焔の錬金術師 戦う少尉さん 第十三倉庫の怪 | 高山カツヒコ | 金子伸吾 | 矢崎優子 | ||
第38話 | 7月3日 | 川の流れに | 大和屋暁 | 岩崎太郎 | 向田隆 谷口淳一郎 | ||
第39話 | 7月10日 | 東方内戦 | 會川昇 | 角田一樹 | 菅野宏紀 稲留和美 | 第11巻 | |
第40話 | 7月17日 | 傷痕 | 安田賢司 | 伊藤嘉之、中本尚子 中澤勇一、高橋久美子 | |||
第41話 | 7月24日 | 聖母 | 中津環 | 伊藤秀樹 小栗寛子 | |||
第42話 | 彼の名を知らず | 橋本昌和 | 関口可奈味 | ||||
第43話 | 7月31日 | 野良犬は逃げ出した | 安藤真裕 | 斎藤英子 矢崎優子 | 第12巻 | ||
第44話 | 8月7日 | 光のホーエンハイム | ところともかず 水島精二 | 岩崎太郎 | 向田隆 谷口淳一郎 | ||
第45話 | 8月21日 | 心を劣化させるもの | ユキヒロ | 角田一樹 | 菅野宏紀 稲留和美 | ||
第46話 | 8月28日 | 人体錬成 | うえだしげる | 中本尚子、山本佐和子 中澤勇一 | |||
第47話 | 9月4日 | ホムンクルス封印 | 金子伸吾 | 伊藤秀樹 小栗寛子 | 第13巻 | ||
第48話 | 9月11日 | さようなら | 安田賢司 | 橋本昌和 | 関口可奈味 | ||
第49話 | 9月18日 | 扉の向こうへ | 中津環 | 斎藤英子 矢崎優子 | |||
第50話 | 9月25日 | 死 | 安藤真裕 | 菅野宏紀 富岡隆司 | |||
第51話 | 10月2日 | ミュンヘン1921 | 水島精二 安田賢司 | 角田一樹 安田賢司 | 伊藤嘉之 |
放送地域 | 放送局 | 放送期間 | 放送日時 | 放送系列 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
近畿広域圏 | 毎日放送 | 2003年10月4日 - 2004年10月2日 | 土曜 18:00 - 18:30 | TBS系列 | 製作局 |
北海道 | 北海道放送 | ||||
岩手県 | IBC岩手放送 | ||||
宮城県 | 東北放送 | ||||
山形県 | テレビユー山形 | ||||
福島県 | テレビユー福島 | ||||
関東広域圏 | 東京放送 | ||||
山梨県 | テレビ山梨 | ||||
新潟県 | 新潟放送 | ||||
富山県 | チューリップテレビ | ||||
鳥取県 島根県 | 山陰放送 | ||||
山口県 | テレビ山口 | ||||
愛媛県 | あいテレビ | ||||
高知県 | テレビ高知 | ||||
福岡県 | RKB毎日放送 | ||||
長崎県 | 長崎放送 | ||||
熊本県 | 熊本放送 | ||||
大分県 | 大分放送 | ||||
宮崎県 | 宮崎放送 | ||||
沖縄県 | 琉球放送 | ||||
中京広域圏 | 中部日本放送 | 2003年10月11日 - 2004年10月9日 | 土曜 17:00 - 17:30 | [注 1] | |
青森県 | 青森テレビ | 2003年10月11日 - 2004年4月 2004年4月 - 10月2日 | 土曜 17:30 - 18:00 土曜 18:00 - 18:30 | [注 2] | |
長野県 | 信越放送 | 2003年10月11日 - 2004年10月9日 | 土曜 17:30 - 18:00 | ||
石川県 | 北陸放送 | ||||
静岡県 | 静岡放送 | ||||
岡山県 香川県 | 山陽放送 | ||||
広島県 | 中国放送 | ||||
鹿児島県 | 南日本放送 | ||||
日本全域 | アニマックス | 2003年10月11日 - 2004年10月16日 | 土曜 18:30 - 19:00 | アニメ専門CS放送 | リピート放送あり |
TBSチャンネル | 2008年8月11日 - 9月11日 | 月曜 - 金曜 18:00 - 19:00 | CS放送 | 2話連続放送 リピート放送あり | |
ファミリー劇場 | 2011年8月15日 - 8月19日 | 月曜 - 金曜 20:00 - 25:00 | 10話連続放送[注 3] リピート放送あり | ||
キッズステーション | 2015年4月6日 - | 月曜 - 金曜 18:00 - 18:30 | CS放送 | HDリマスター版 リピート放送あり | |
カートゥーンネットワーク | 2021年7月10日 - | カートゥーンナイト | CS放送 |
巻数 | 発売日 | 収録エピソード |
---|---|---|
第1巻 | 2003年12月17日 | 第1話 - 第2話 |
第2巻 | 2004年1月21日 | 第3話 - 第6話 |
第3巻 | 2004年3月24日 | 第7話 - 第10話 |
第4巻 | 2004年4月28日 | 第11話 - 第14話 |
第5巻 | 2004年5月26日 | 第15話 - 第18話 |
第6巻 | 2004年6月23日 | 第19話 - 第22話 |
第7巻 | 2004年7月28日 | 第23話 - 第26話 |
第8巻 | 2004年8月25日 | 第27話 - 第30話 |
第9巻 | 2004年9月29日 | 第31話 - 第34話 |
第10巻 | 2004年10月27日 | 第35話 - 第38話 |
第11巻 | 2004年11月26日 | 第39話 - 第42話 |
第12巻 | 2004年12月22日 | 第43話 - 第46話 |
第13巻 | 2005年1月26日 | 第47話 - 第51話 |
本作品を元に製作されたゲームシリーズ。そのため、2009年から2010年にかけて原作と2009年のアニメを元に製作されたゲームシリーズとは無関係である(ただし、ゲーム製作メーカーは2009年から2010年版のゲームと共通している)。
ラジオ大阪と文化放送にて、2003年10月から2005年9月まで『アニプレックスアワー ハガレン放送局』として放送された。
ラジオパーソナリティは、エドワード・エルリック役の朴璐美、アルフォンス・エルリック役の釘宮理恵の2人。後に月ごとにゲストパーソナリティを迎えていた。
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