2011年のアメリカンリーグチャンピオンシップシリーズ
メジャーリーグベースボールの第42回アメリカンリーグ優勝決定シリーズ / ウィキペディア フリーな encyclopedia
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2011年の野球において、メジャーリーグベースボール(MLB)のポストシーズンは9月30日に開幕した。アメリカンリーグの第42回リーグチャンピオンシップシリーズ(英語: 42nd American League Championship Series、以下「リーグ優勝決定戦」と表記)は、10月8日から15日にかけて計6試合が開催された。その結果、テキサス・レンジャーズ(西地区)がデトロイト・タイガース(中地区)を4勝2敗で下し、2年連続2回目のリーグ優勝およびワールドシリーズ進出を果たした。
2011年のアメリカンリーグ チャンピオンシップシリーズ | |||||||
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シリーズ情報 | |||||||
試合日程 | 10月8日–15日 | ||||||
観客動員 | 6試合合計:27万8896人 1試合平均:04万6483人 | ||||||
MVP | ネルソン・クルーズ(TEX) | ||||||
責任審判 | ティム・ウェルキー[1] | ||||||
ALDS | TEX 3–1 TB DET 3–2 NYY | ||||||
殿堂表彰者 | エイドリアン・ベルトレ(TEX内野手) ジム・リーランド(DET監督) | ||||||
チーム情報 | |||||||
テキサス・レンジャーズ(TEX) | |||||||
シリーズ出場 | 2年連続2回目 | ||||||
GM | ジョン・ダニエルズ | ||||||
監督 | ロン・ワシントン | ||||||
シーズン成績 | 96勝66敗・勝率.593 西地区優勝 | ||||||
分配金 | 選手1人あたり25万1515.76ドル[2] | ||||||
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デトロイト・タイガース(DET) | |||||||
シリーズ出場 | 5年ぶり5回目 | ||||||
GM | デーブ・ドンブロウスキー | ||||||
監督 | ジム・リーランド | ||||||
シーズン成績 | 95勝67敗・勝率.586 中地区優勝 | ||||||
分配金 | 選手1人あたり12万6901.50ドル[2] | ||||||
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ワールドシリーズ |
両球団がポストシーズンで対戦するのはこれが初めて。レンジャーズは、1998年から2001年にかけてのニューヨーク・ヤンキース以来10年ぶりのアメリカンリーグ連覇を成し遂げた[3]。また、ポストシーズンの7戦4勝制シリーズにおいて4勝全てで救援投手が勝利投手となったのは、1997年アメリカンリーグ優勝決定戦のクリーブランド・インディアンスに次いで14年ぶり2球団目である[4]。その4勝のうち第2戦ではネルソン・クルーズが、記録上はポストシーズン史上初となるサヨナラの満塁本塁打を放った[注 1][5]。クルーズはその一打を含め、6試合で打率.364・6本塁打・13打点・OPS 1.713を記録し、シリーズMVPに選出された。しかしレンジャーズは、ワールドシリーズではナショナルリーグ王者セントルイス・カージナルスに3勝4敗で敗れ、初優勝を逃した。
10月4日にまずレンジャーズ(西地区優勝)が、そして6日にはタイガース(中地区優勝)が、それぞれ地区シリーズ突破を決めてリーグ優勝決定戦へ駒を進めた。
レンジャーズは2010年、90勝72敗で地区を制してポストシーズンへ進み、リーグ優勝を果たしたがワールドシリーズで敗れた。オフにはエース左腕クリフ・リーがFAとなったため再契約を目指すも失敗し、補強計画を変更して野手のエイドリアン・ベルトレやマイク・ナポリを獲得した[6]。2011年は開幕6連勝と好調な出だしで、ロサンゼルス・エンゼルスとの地区首位争いを優位に進め、前半戦終了時には51勝41敗で1.0ゲーム差の首位につける。中軸のジョシュ・ハミルトンらが故障により戦線離脱した時期もあったが、マイケル・ヤングがチーム内打率1位・打点2位の活躍で打線を支え、守備でも内野の複数ポジションをこなして他選手の負担を軽減した[7]。救援失敗がかさむ投手陣には7月末のトレードで上原浩治とマイク・アダムスが加わり[8]、8月以降は不振の抑え投手ネフタリ・フェリスも復調した[9]。エンゼルスとのゲーム差は8月17日に7.0まで開き、そこから9月10日には1.5になるなど伸び縮みがあったものの、首位の座は譲らず。同月23日に地区連覇を決めた[10]。平均得点5.28はリーグ3位、防御率3.79はリーグ5位。ベルトレは優れた三塁守備を披露し、ナポリは捕手と一塁をこなしつつ、ともに打率.300前後・30本塁打以上と打撃でも好成績を収めた[6]。投手陣もリーを失いながら防御率が球団史上28年ぶりの高水準となり、特に先発ローテーションでは5人が2桁勝利を挙げた[11]。地区シリーズではタンパベイ・レイズを3勝1敗で下した[12]。
タイガースは、2010年は81勝81敗の地区3位でポストシーズンを逃した。オフの補強では、打線でミゲル・カブレラの後ろを担う5番打者候補にビクター・マルティネスを、救援投手陣で8回を担うセットアッパー候補にホアキン・ベノワを、それぞれ獲得した[13]。2011年は3・4月を12勝15敗と負け越して出遅れるが、その後は巻き返してクリーブランド・インディアンスと地区首位争いを展開し、前半戦終了時には49勝43敗で0.5ゲーム差ながら首位に立つ。ただ、打線ではOPS上位4人と下位4人の平均差がMLB史上最大級に開き[14]、投手陣でも防御率が4.50より良い先発はエースのジャスティン・バーランダー以外にいなかった[15]。そこでチームは、7月末にトレードで先発投手ダグ・フィスターや内野手ウィルソン・ベテミーを加え、8月中旬にもウェイバーを介して外野手デルモン・ヤングを補強した。フィスターは移籍後防御率1点台と好投し、ベテミーやD・ヤングも打線を下支えした[16]。インディアンスとのゲーム差は9月2日からの12連勝で13.5まで広がる。1敗を挟んで同月16日にも勝利し、5年ぶりのポストシーズン出場を地区優勝で決めた[17]。平均得点4.86はリーグ4位、防御率4.04はリーグ7位。バーランダーが投手三冠を総なめにする活躍でチームを牽引し、救援陣もベノワが序盤の不振を脱却してからは安定、最後はホセ・バルベルデがセーブ失敗なしと抑えの重責を果たした[16]。地区シリーズではニューヨーク・ヤンキースを3勝2敗で下した[18]。
リーグ優勝決定戦の第1・2・6・7戦を本拠地で開催できる "ホームフィールド・アドバンテージ" は、地区優勝球団どうしが対戦する場合はレギュラーシーズンの勝率がより高いほうの球団に、地区優勝球団とワイルドカード球団が対戦する場合は地区優勝球団に与えられる。したがって今シリーズでは、レンジャーズがアドバンテージを得る。この年のレギュラーシーズンでは両球団は9試合対戦し、タイガースが6勝3敗と勝ち越していた[19]。
両チームの出場選手登録(ロースター)は以下の通り。
- 名前の横の★はこの年のオールスターゲームに選出された選手を、#はレギュラーシーズン開幕後に入団した選手を示す。
- 年齢は今シリーズ開幕時点でのもの。
テキサス・レンジャーズ | デトロイト・タイガース | ||||||||||||
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守備位置 | 背番号 | 出身 | 選手 | 投 | 打 | 年齢 | 守備位置 | 背番号 | 出身 | 選手 | 投 | 打 | 年齢 |
投手 | 37 | マイク・アダムス# | 右 | 右 | 33 | 投手 | 62 | アル・アルバカーキ | 右 | 右 | 25 | ||
39 | スコット・フェルドマン | 右 | 左 | 28 | 53 | ホアキン・ベノワ | 右 | 右 | 34 | ||||
30 | ネフタリ・フェリス | 右 | 右 | 23 | 40 | フィル・コーク | 左 | 左 | 29 | ||||
51 | マイク・ゴンザレス# | 左 | 右 | 33 | 58 | ダグ・フィスター# | 右 | 左 | 27 | ||||
54 | マット・ハリソン | 左 | 左 | 26 | 31 | ブラッド・ペニー | 右 | 右 | 33 | ||||
45 | デレク・ホランド | 左 | 両 | 25 | 45 | ライアン・ペリー | 右 | 右 | 24 | ||||
48 | コルビー・ルイス | 右 | 右 | 32 | 48 | リック・ポーセロ | 右 | 右 | 22 | ||||
41 | アレクシー・オガンド★ | 右 | 右 | 28 | 37 | マックス・シャーザー | 右 | 右 | 27 | ||||
28 | ダレン・オリバー | 左 | 右 | 41 | 55 | ダニエル・シュレーレス | 左 | 左 | 25 | ||||
22 | 建山義紀 | 右 | 右 | 35 | 46 | ホセ・バルベルデ★ | 右 | 右 | 33 | ||||
19 | 上原浩治# | 右 | 右 | 36 | 35 | ジャスティン・バーランダー★ | 右 | 右 | 28 | ||||
36 | C.J.ウィルソン★ | 左 | 左 | 30 | 捕手 | 13 | アレックス・アビラ★ | 右 | 左 | 24 | |||
捕手 | 25 | マイク・ナポリ | 右 | 右 | 29 | 41 | ビクター・マルティネス | 右 | 両 | 32 | |||
8 | ヨービット・トレアルバ | 右 | 右 | 33 | 18 | オミール・サントス | 右 | 右 | 30 | ||||
内野手 | 1 | エルビス・アンドラス | 右 | 右 | 23 | 内野手 | 20 | ウィルソン・ベテミー# | 右 | 両 | 29 | ||
29 | エイドリアン・ベルトレ★ | 右 | 右 | 32 | 24 | ミゲル・カブレラ★ | 右 | 右 | 28 | ||||
6 | エステバン・ヘルマン | 右 | 右 | 33 | 15 | ブランドン・インジ | 右 | 右 | 34 | ||||
5 | イアン・キンズラー | 右 | 右 | 29 | 27 | ジョニー・ペラルタ★ | 右 | 右 | 29 | ||||
18 | ミッチ・モアランド | 左 | 左 | 26 | 39 | ラモン・サンティアゴ | 右 | 両 | 32 | ||||
10 | マイケル・ヤング★ | 右 | 右 | 35 | 29 | ダニー・ワース | 右 | 右 | 26 | ||||
外野手 | 9 | エンディ・チャベス | 左 | 左 | 33 | 外野手 | 12 | アンディ・ダークス | 左 | 左 | 25 | ||
17 | ネルソン・クルーズ | 右 | 右 | 31 | 14 | オースティン・ジャクソン | 右 | 右 | 24 | ||||
23 | クレイグ・ジェントリー | 右 | 右 | 27 | 32 | ドン・ケリー | 右 | 左 | 31 | ||||
32 | ジョシュ・ハミルトン★ | 左 | 左 | 30 | 30 | マグリオ・オルドニェス[※] | 右 | 右 | 37 | ||||
7 | デビッド・マーフィー | 左 | 左 | 29 | 25 | ライアン・レイバーン | 右 | 右 | 30 | ||||
21 | デルモン・ヤング#[※] | 右 | 右 | 26 |
- ※ 第1戦終了後にオルドニェスが故障のためロースターを外れ、第2戦からはD・ヤングが代わりに登録された。
レンジャーズは地区シリーズのロースターから、捕手のマット・トレーナーを外して救援投手の建山義紀を加えた。主力捕手マイク・ナポリとヨービット・トレアルバはともに右打者であるため、地区シリーズの対戦相手タンパベイ・レイズが左投手を先発させた際に、レンジャーズはどちらかを他のポジションに入れてふたりを同時に起用することができた。しかしタイガースの場合は先発投手が右投手しかおらず、第3捕手のトレーナーをロースター入りさせてまでこうした布陣を組む必要性が薄くなったことから、代わりに投手の層を厚くすることにした[20]。
タイガースは地区シリーズのロースターから、外野手のデルモン・ヤングを外して内野手のダニー・ワースを加えた。D・ヤングは地区シリーズで全5試合に3番・左翼で先発出場し、3本塁打・OPS 1.171を記録したが、最終第5戦の第4打席で左脇腹を痛め、その裏の守備から交代した。彼は同じ箇所をこの年の春先にも痛めていて、そのときは19試合を欠場している[21]。負傷した試合から2日が経った今シリーズ初日の時点でも、打撃練習は行えるものの、記者会見などでしばらく同じ姿勢をとっていると筋肉が強張って腕も上げられなくなる状態だという[22]。