ジョン・マクダウェル
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ジョン・マクダウェル(John Henry McDowell, 1942年生まれ[3])は、南アフリカ出身の哲学者。オックスフォード大学ユニバーシティ・カレッジ(英語版)のフェローを経て、現在ピッツバーグ大学教授。著作の主題は、形而上学、認識論、古代哲学、メタ倫理学など多岐にわたるが、心の哲学と言語哲学の領域における功績で最もよく知られている。2010年のアンドリュー・メロン財団功労賞受賞者に選ばれた[4]。
概要 生誕, 時代 ...
ジョン・マクダウェル(2007年10月、パリで撮影) | |
生誕 |
(1942-03-07) 1942年3月7日(82歳)[1] 南アフリカ連邦ボックスバーグ(英語: Boksburg)] |
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時代 | 20世紀哲学 |
地域 | 西洋哲学 |
学派 | 分析哲学 |
研究分野 | 形而上学、認識論、論理学、言語哲学、数学の哲学、心の哲学、倫理学 |
主な概念 | 知覚的内容は「徹頭徹尾」概念的である[2] |
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マクダウェルは一貫して、哲学を「治療的」なものとして捉えており、「あらゆるものごとをあるがままにしておく」という、ある種の静寂主義をとっている(ただし、自分が「静寂」であると彼が考えているわけではない)。静寂主義者にとって、哲学は問題(例えば、思考や言語は世界とどのような関係にあるか)に対して説明を与えることはできないとされる。その代わりに、哲学的な問題を引き起こす事柄を再記述することで、混乱した哲学者を知的に静寂な状態へと連れ戻すのである。このように静寂主義的な態度をとるマクダウェルは、現代の哲学者たちの議論における誤りを治療的に解きほぐすとともに、各種の主題(言語、心、価値など)に関して独創的で際立った見解を練り上げている。マクダウェルは、北米の哲学業界を支配している還元的な自然主義に対抗する見解を打ち出そうとしているのである。