フェネチルアミン
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フェネチルアミン (phenethylamine) は、アルカロイドに属すモノアミンである。フェニルエチルアミン (phenylethylamine) とも呼ばれる。この群に属する物質は向精神作用がある物質が多い。
概要 IUPAC命名法による物質名, 臨床データ ...
IUPAC命名法による物質名 | |
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臨床データ | |
法的規制 |
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投与経路 | 経口 |
薬物動態データ | |
代謝 | MAO-A、MAO-B、PNMT、ALDH、DBH、CYP2D6 |
半減期 | ~5-10 分 |
識別 | |
CAS番号 | 64-04-0 |
PubChem | CID: 1001 |
IUPHAR/BPS | 2144 |
ChemSpider | 13856352 |
UNII | 327C7L2BXQ |
ChEBI | CHEBI:18397 |
ChEMBL | CHEMBL610 |
NIAID ChemDB | 018561 |
別名 | フェニルエチルアミン、2-フェニルエタノールアミン、β-フェニルエタノールアミン、1-アミノ-2-フェニルエタン |
化学的データ | |
化学式 | C8H11N |
示性式 | C6H5(CH2)2NH2 |
分子量 | 121.18 g/mol |
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物理的データ | |
沸点 | 195 °C (383 °F) |
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ヒトの脳において神経修飾物質や神経伝達物質(微量アミン)として機能するとされている。無色の液体で、空気にさらすと二酸化炭素 (CO2) と反応して炭酸塩を形成する。天然ではアミノ酸であるフェニルアラニンの酵素的脱炭酸によって合成される。食物の中にも存在し、特にチョコレートなど微生物発酵したものに多く見られる。そのような食物を多量に摂取すると、含まれるフェネチルアミンによって向精神薬のような効果が得られるとする者もいるが、モノアミン酸化酵素 (MAO-B) によって速やかに代謝されるため脳に高濃度のフェネチルアミンが集積することはない。
フェネチルアミン誘導体には広範・多様な化合物が含まれ、神経伝達物質、ホルモン、覚醒剤、幻覚剤、エンタクトゲン (entactogens、「内面的なつながりをもたらすもの」の意味。共感性を起こす)、食欲低下薬、気管支拡張薬、抗うつ薬などに用いられる。
フェネチルアミン骨格はより複雑な化合物の部分構造としても現れ、LSD のエルゴリン環やモルヒネのモルフィナン環などがその例である。