被害妄想
妄想性障害の一つ / ウィキペディア フリーな encyclopedia
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被害妄想(ひがいもうそう、英:Persecutory delusion)とは、根拠が薄弱、または皆無にもかかわらず、自分に対して何らかの危害が加えられていると思い込む妄想の一種。
患者は、自分が個人あるいは集団の標的にされていると思い込んでいることが多い。被害妄想の内容は実に多様で、ありそうにないがあり得る内容のものから、荒唐無稽で風変わりな内容のものまで様々である。妄想は様々な心身の不調において現れるが、統合失調症などの精神疾患では一般的である。
被害妄想は、偏執病(パラノイア)の中でも深刻なタイプに属するものであり、不安症から自殺願望に至るまで、複数の合併症を引き起こす。被害妄想の症状は、恐怖のあまり家から出られなかったり、暴力を振るったりするなど、行動に現れる割合が多い。被害妄想は妄想の中で特に一般的なものである。
被害妄想は、遺伝的要因と環境要因(薬物やアルコールの使用、精神的虐待の有無など)との組み合わせにより引き起こされる。治療抵抗性があり、最も一般的な治療法は、認知行動療法、抗精神病薬の投薬、重篤な場合には入院治療である。診断にはDSM-5やICD-11が使用される場合が多い。