うつほ物語
平安時代に成立した日本の物語 / ウィキペディア フリーな encyclopedia
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『うつほ物語』(うつほものがたり、宇津保物語)は、平安時代中期の10世紀後半に成立した日本最古の長編物語[1]。全20巻、著者は不明だが源順説などがあり、架空の話である『竹取物語』と現実的な『源氏物語』の双方の特徴を持つ作品で、当時の貴族社会における求婚や争いを描いている[1]。
『源氏物語』や『枕草子』の中で『うつほ物語』の一部が記されており、この2作品以前に存在していたことがわかる[2]。『源氏物語』の第17帖「絵合」には「『うつほ』の俊蔭の物語絵」が見え、『枕草子』には源涼と藤原仲忠の優劣論争が記されている。
写実的な描写などは『源氏物語』の成立へ影響を与えたと言われている[1]。当時の貴族にとって、その演奏が教養でもあった楽器のひとつ「琴(きん)」の音楽をめぐって物語が展開していく。当時の年中行事を記した日記的な記述が多くみられる点も特徴のひとつである。