インカピージョ
アルゼンチンのカルデラ / ウィキペディア フリーな encyclopedia
インカピージョ(Incapillo)は、アルゼンチンのラ・リオハ州に存在するカルデラである。また、更新世[注 1]に噴火を起こしたアンデス山脈の中部火山帯(アンデス火山帯(英語版)の一部を構成する)の火山の中では最南端に位置し、およそ44の成層火山とともに中部火山帯の一部を構成している。
概要 インカピージョ, 標高 ...
インカピージョ | |
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インカピージョのカルデラ内部の眺め | |
標高 | 5,386[1] mまたは5,750[2] m |
所在地 |
アルゼンチン ラ・リオハ州 |
位置 | 南緯27度53分24秒 西経68度49分12秒 |
山系 | アンデス山脈 |
種類 | カルデラ |
最新噴火 | 更新世[2] |
プロジェクト 山 | |
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中部火山帯の火山活動はナスカプレートが南アメリカプレートの下に沈み込むことによって引き起こされている。また、インカピージョとその周辺地域における火山活動は西方のマリクンガ帯と呼ばれる火山弧の活動が600万年前に停止した後に始まり、ピシス山、ボネーテ・チコ山(英語版)、シエラ・デ・ベラデロなどの標高の高い火山が形成された。その後、これらの火山の間に多くの溶岩ドームが形成された。
インカピージョはアラスカのカトマイ山に匹敵するイグニンブライトの噴出源でもあり、その体積はおよそ20.4立方キロメートルに達し、形成時期は52万年±3万年前と51万年±4万年前のものが見つかっている。さらに、これらのイグニンブライトを噴出した噴火が起きていた頃に長径6キロメートル、短径5キロメートルの大きさを持つカルデラが形成された。その後も火山活動によってカルデラ内部により若い溶岩ドームが形成され、カルデラの南方では大規模な土石流が発生した。また、カルデラ内部の湖の水温が高いことから、インカピージョの下部では今日においても熱水活動(英語版)が続いている可能性がある。