コーラス (音響機器)
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コーラスとは、エレクトリック・ギターで一般的に使用されるエフェクターであり、12弦ギターのような音の効果から、艶やかな音を出すなど、幅広い音の装飾を得られるものである。
設定によって、ギター2本で弾いているような、一度の演奏でステレオ効果や複数演奏であるユニゾン効果が得られる。仕組みは、「フランジャー」と基本的には同じで、2つの音のずれを利用したものである。また、ベースに使用すると、フレットレスベースなどに顕著な、「ボワーン」という音も得られる。後述する「ピッチシフター」でも聴感上は似たような効果が得られる。「同じ波形を時間的に微妙にずらす」か、「同じ波形に対し周波数をわずかに平行に動かす、すなわち音程を微妙にずらす」かの違いである。
コーラスは、フェイザーやフランジャーと同じくモジュレーション系のエフェクターとして取り扱われているが、フェイザーやフランジャーを使う際には基本的にエフェクトを目立つようにかけるように設定するが、コーラスはむしろ淡く、ほんのり効いているように設定するのが基本である。前二者が時としてどぎつい効果を求めて用いられるのに対して、コーラスは穏やかもしくは爽やかな効果を求めて用いられるのが常である。ギターのみならずボーカルやブラスなど、幅広いパートに対して艶を出す目的で使われる。
やや高度な設定として、楽器から直接コーラスに入力するのではなく、いったんリバーブレーターを通して残響音だけをコーラスに入力する方法がある。コーラスは原音がぼけやすくなることもあるが、残響音だけにコーラスの効果を与えることで原音はよりはっきりと、エフェクトのかかった音はより空間的な広がりを得ることができる。この方法をボーカルパートに対して採れば、より幻想的な聴感を得ることができるため、音楽のみならずアニメーションなどでも時折用いられる。