キャンセル・カルチャー
政治思想の違いから対象人物を追放する運動 / ウィキペディア フリーな encyclopedia
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キャンセル・カルチャー(英語: cancel culture)は、2010年代後半から使われるようになった用語で、容認されない言動を行ったとみなされた個人が排斥・追放されたり解雇されたりする文化的現象を表す[1][2][3][4]。この排斥は対象者の社会的・職業的な領域に及ぶこともあり、有名人に関するものが最も注目されやすい[5]。排斥された者は「キャンセルされた」と言う[6][7]。
キャンセル・カルチャーは主にソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)上に見られる。抗議行為自体は「canceling[注釈 1]」(キャンセリング)と呼ばれ、抗議の対象になることは「canceled」(キャンセルド)と呼ばれる[9]。また、欧米では現代の著名人だけでなく、過去の戦争や人種差別思想を理由に数十年、数百年前の軍人や政治家もキャンセルの対象となっており、彼らの銅像や記念碑に対する抗議運動などが展開されている[10][11]。コールアウト・カルチャーがエスカレートしたものがキャンセル・カルチャーとする見方もある[12]。
キャンセル・カルチャーは否定的な意味合いを持ち[7]、キャンセル・カルチャーに批判的な者はそれが非生産的であり真の社会変化をもたらさず、ネットいじめに等しいなどと主張する[13][14]。一方で、キャンセル・カルチャーの存在を疑問視する者もおり[15]、そうした人々は同じような形の排斥運動は「キャンセル・カルチャー」という言葉が生まれるずっと前から存在していたと主張する[14][16][17]。