スピロノラクトン
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スピロノラクトン (spironolactone) はカリウム保持性利尿薬(抗アルドステロン薬)のひとつ。その名の通りスピロ環構造とラクトン環構造を併せ持つ。受容体とアルドステロンとの結合に拮抗することによりK+保持性の利尿作用を示す[1]。主に心不全、肝硬変性腹水、高血圧治療薬としてフロセミドやクロロチアジドと併用される。特に、アルドステロン分泌が異常亢進する原発性アルドステロン症では第一選択の治療薬である。副作用として高K+性アシドーシス、女性化乳房、皮膚発疹などが存在する。
概要 IUPAC命名法による物質名, 臨床データ ...
IUPAC命名法による物質名 | |
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臨床データ | |
胎児危険度分類 | |
法的規制 |
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投与経路 | 経口 |
薬物動態データ | |
代謝 | Hepatic |
半減期 | 10 分 |
排泄 | 尿, 胆汁 |
識別 | |
CAS番号 | 52-01-7 |
ATCコード | C03DA01 (WHO) |
PubChem | CID: 5833 |
DrugBank | APRD01234 |
ChemSpider | 5628 |
KEGG | D00443 |
別名 |
Aldactone Spirotone Spirolactone |
化学的データ | |
化学式 | C24H32O4S |
分子量 | 416.574 g/mol |
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女性ホルモン作用を併せ持つため、高血圧治療薬としては歓迎されないものであるが、これを応用して男性型の脱毛症治療薬として利用する方法がしばしば散見される。また、アルドステロン受容体により特異的に結合することで女性ホルモン作用が軽減された、第二世代のアルドステロン拮抗薬(エプレレノン)も発売されている。
さらに、鉱質コルチコイド受容体拮抗作用を持つため、外用ステロイド剤の副作用(皮膚萎縮)低減に応用できる可能性が示唆されている[2]。