セミオートマチックトランスミッション
自動車のトランスミッションの1種で、変速操作が手動でクラッチ操作のみを自動化したもの / ウィキペディア フリーな encyclopedia
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セミオートマチックトランスミッション(英: Semi-automatic transmission、セミAT)は、車両のトランスミッションの一種で、その操作の一部(典型的にはクラッチの動作)が自動化されているが、停止からの発進や手動でのギア変更のために運転手の入力が必要である。セミオートマチックトランスミッションはもっぱらオートバイで使われた。従来型のマニュアルトランスミッションやシーケンシャルマニュアルトランスミッションに基づいているが、自動クラッチシステムを使用する。しかし、セミオートマチックトランスミッションの中には、トルクコンバータと遊星歯車機構を使用する標準的な油圧制御式オートマチックトランスミッションに基づくものもある[1][2]。
特定の種類のセミオートマチックトランスミッションを指す名称として、クラッチレスマニュアル[3]、オートクラッチ[4]、2ペダルMT[注釈 1]などがある。これらのシステムで、クラッチはアクチュエータあるいはサーボを始動させるスイッチを介して自動的に操作されるが、運転手はまだ手動でギアをシフトさせる必要がある。レーシングカーなどで発進、停車時に限定的にクラッチ操作が必要な物も含まれる。これは、運転手がクラッチを操作して次にギア比を選択するが、トランスミッション内部のギア変更は自動的実行されるプリセレクタ・ギアボックス(英語版)と対照的である。
最初にセミオートマチックトランスミッションが使用されたのは自動車においてであり、1930年代中頃に複数のアメリカの車メーカーが提供し始めて人気が高まった。伝統的な油圧制御式オートマチックトランスミッションよりも一般的ではないにもかかわらず、セミオートマチックトランスミッションは様々な車やオートバイのモデルで利用可能であり、21世紀に入っても生産され続けている。パドルシフト操作付きのセミオートマチックトランスミッションは様々なレーシングカーで使用されてきており、1989年にF1カーのフェラーリ・640の電気油圧ギアシフト機構を制御するために初めて導入された。これらのシステムは現在フォーミュラ1、IndyCar、ツーリングカーレースなど様々なレーシングカーのクラスで使用されている。その他には、オートバイ、トラック、バス、鉄道車両でも使用されている。