オセルタミビル
ウィキペディア フリーな encyclopedia
オセルタミビル(oseltamivir)は、インフルエンザウイルスに効く抗ウイルス薬である。オセルタミビルリン酸塩として、スイスのロシュ社により商品名「タミフル」(tamiflu、登録商標第4376708号ほか)で販売されている。日本ではロシュグループ傘下の中外製薬が製造輸入販売元である。また、後発医薬品として、沢井製薬が商品名「オセルタミビル サワイ」で発売している。
概要 IUPAC命名法による物質名, 臨床データ ...
IUPAC命名法による物質名 | |
---|---|
| |
臨床データ | |
販売名 | タミフル |
胎児危険度分類 | |
法的規制 | |
投与経路 | 経口 |
薬物動態データ | |
生物学的利用能 | 75% |
代謝 | 肝臓 |
半減期 | 6–10 時間 |
排泄 | 尿中 |
識別 | |
CAS番号 | 196618-13-0 204255-11-8 |
ATCコード | J05AH02 (WHO) |
PubChem | CID: 65028 |
DrugBank | DB00198 |
ChemSpider | 58540 |
UNII | 20O93L6F9H |
KEGG | D08306 |
ChEBI | CHEBI:7798 |
ChEMBL | CHEMBL1229 |
化学的データ | |
化学式 | C16H28N2O4 |
分子量 | 312.4 g/mol |
| |
テンプレートを表示 |
閉じる
A型、B型のインフルエンザウイルスに作用する(B型には効きにくい傾向がある)。C型インフルエンザには効果がない。鳥インフルエンザを引き起こすのは、A型インフルエンザウイルスであり、H5N1型の高病原性トリインフルエンザウイルスにも、ある程度有効との研究結果が報告されている[1]。
オセルタミビルは、トウシキミ(八角)から採取されるシキミ酸から、10回の化学反応を経て合成されていた[2]。
2014年には、コクラン共同計画による完全な治験データの再分析結果が公開され、当初の服用の理由である入院や合併症を減少させるという十分な証拠はなく、成人では発症時間を7日から6.3日へと減少させる程度であり、副作用も含めて、使用指針の見直しが必要であると報告された[3]。
国際連合の世界保健機関は、以前は不完全な解析しか利用できず[4]、2009年に世界保健機関の必須医薬品の一覧に追加されたが、2017年に「補足的な薬」に格下げされ、今後は医薬品リストからの除去もありうる[5]。世界保健機関は、重篤な入院患者でインフルエンザウイルスの感染が疑われる場合のみ、使用を制限することを推奨した[6]。