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ダイレクト・マーケット
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「ダイレクトマーケティング」とは異なります。 |
ダイレクト・マーケット (英: direct market) とは、アメリカのコミックブック出版で主流を占める取次・小売ネットワークである。そのコンセプトは1970年代にフィル・シウリング (Phil Seuling) によって作られた。現在ダイレクト・マーケットを構成しているのは、独占的な取次店(ダイヤモンド・コミック・ディストリビューターズ(英語版))と、大多数のコミック専門店、およびコミックブック以外の関連商品も扱う非専門店である。
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現在の事業モデルと正確に一致するわけではないが、「ダイレクト・マーケット」の名は、小売店が取次を飛び越えて出版社から直接仕入れを行うという当初の事業形態からとられたものである。しかし、ダイレクト・マーケットの最大の特徴は、むしろ返品が不可能だという点にある。一般書店やニューススタンド(英語版)へのコミックブック配本では委託販売制 (sale-or-return model) が取られるのに対し、ダイレクト・マーケットを通じた配本は買い切り制であり、仕入れ価格で優遇される代わりに売れ残りを返品して払い戻しを受けることはできない。そのため取次や小売店は需要を正確に予想するよう強いられる。しかし一方で、ダイレクト・マーケットでは売れ残りを在庫として後日売却することができたため「バックイシュー」市場が発展した。
出版社にとってリスクが少ないダイレクト・マーケット流通システムは、二大出版社(マーベルとDC)の牙城を崩すには至らなかったものの、新しいコミック出版社に参入機会を与えたとも評価されている。1970年代の後半に興ったコミックの独立系出版社や自己出版は現在まで隆盛を続けているが、それが事業として可能になったのは、返品を前提とした無作為陳列型のニューススタンド方式に替わって、顧客のターゲットを絞ることができるダイレクト・マーケットが成立したことが大きい。