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チューブは、半固形状の材質のものを充填し、柔らかく搾り出すことができる容器である。円筒形で中空の構造で、断面は円状あるいは卵形であるものが多い。内容物の保存性に優れ、食品、歯磨剤、医薬品、化粧品、絵具、接着剤などに幅広く用いられている。
チューブは材質と製法により分類することができる[1]。
チューブは1828年にジェームス・ハリスにより油絵具用に発明された、真鍮製の「シリンジ」と呼ばれる注射器に似た形のピストン式の器具が原型となっている。シリンジは中の絵具を使い切ると画材店で充填してもらい、何度も再利用する方式だった。さらに1840年にはウィリアム・ウィンザーが水彩絵具用にガラス製のシリンジを販売した。シリンジは充填時に中を洗浄する手間が掛かったため、チューブが発明される一因となった。なおシリンジが発明される以前には絵具は豚の膀胱袋に詰めて販売され、さらにその以前には画家やその弟子たちが工房で自ら手練りしていた。
初めてのチューブは1841年にイギリスにてアメリカ人画家のジョン・G・ランドにより発明された。ただし当初はスズ製で、ねじ式キャップも付いていなかった。スズが用いられたのは塑性の高さと、高価ではあったものの鉛やアルミに比べれば安価であったことによる。キャップが付けられたのは翌年の1842年、アルミ製が登場したのはアルミの生産コストが下がった1930年代に入ってからだった。
しかし絵具の種類により腐食が起きること、また日本やドイツなどではアルミの需要を軍用機へ振り向けたことから、1940年代になるとスズ張り鉛チューブが登場した。さらにスズ張り鉛チューブも鉛の安全性の問題から1990年代以降用いられなくなり、樹脂で内部をコーティングすることで耐腐食性を強めたアルミチューブを経て、ポリチューブやラミネートチューブに置き換わった[2]。
ラミネートチューブが登場したのは1969年にライオン(当時の社名は「ライオン歯磨」)が歯磨き粉「ホワイト&ホワイト」の充填用容器として開発したのが最初である[3]。
現代では製造工程で印刷が行われる関係上、チューブ製造は印刷会社により行われることが多い。
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