トラマドール
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トラマドール(tramadol)は、オピオイド系の鎮痛剤の1つである。弱オピオイドに分類される。トラマドールには主な2つの機序があり、μオピオイド受容体(英語版)の部分的なアゴニストとしての作用と、セロトニン・ノルアドレナリンの再取り込み阻害作用とを併せ持つ。
概要 IUPAC命名法による物質名, 臨床データ ...
IUPAC命名法による物質名 | |
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臨床データ | |
販売名 | トラマール |
胎児危険度分類 | |
法的規制 | |
投与経路 | 経口, 直腸, 舌下, 頬粘膜, 鼻腔内 |
薬物動態データ | |
生物学的利用能 | 68–72%(反復投与で増加) |
血漿タンパク結合 | 20% |
代謝 | CYP2D6による脱メチル化 グルクロン酸抱合および硫酸抱合 |
半減期 | 5-7時間 |
排泄 | 腎臓 |
識別 | |
CAS番号 | 27203-92-5 |
ATCコード | N02AX02 (WHO) |
PubChem | CID: 33741 |
DrugBank | APRD00028 |
ChemSpider | 31105 |
KEGG | D08623 |
化学的データ | |
化学式 | C16H25NO2 |
分子量 | 263.4 g/mol |
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モルヒネの10分の1の鎮痛効力があるとされ、これと比較すると比較的安全で乱用性は低いとみなされているが、それでも薬物乱用や身体依存は起こりうるし、通常の治療用量でまれに起こる副作用はオピオイド鎮痛薬に共通した、抑うつ、昏睡、頻脈、呼吸停止といったものである。致命的な中毒は過剰投与や他の薬剤やアルコールとの併用に関連する。現在は経口薬・坐薬・静注・皮下注・筋注・徐放剤・合剤など、幅広い方法で使用できる。
肝臓で主としてCYP2D6により代謝されるが、CYP3A4による代謝やグルクロン酸抱合も受ける。日本の劇薬である。アメリカでは2014年より、規制物質法におけるスケジュールIVに指定されており各国でも様々な規制がある。