トレオスルファン
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トレオスルファン(英: treosulfan)は、癌の治療薬として研究されている化合物である[1]。アルキル化剤に分類される[2]。世界保健機関 (WHO) の下部組織によるIARC発がん性リスク一覧のグループ1に属する。
概要 IUPAC命名法による物質名, 臨床データ ...
IUPAC命名法による物質名 | |
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臨床データ | |
Drugs.com |
国別販売名(英語) International Drug Names |
投与経路 | 経口, IV |
識別 | |
CAS番号 | 299-75-2 |
ATCコード | L01AB02 (WHO) |
PubChem | CID: 9296 |
UNII | CO61ER3EPI |
別名 | 1,2,3,4-Butanetetrol, 1,4-dimethanesulfonate, Threitol 1,4-dimethanesulfonate, Threitol 1,4-bismethanesulfonate; L-Threitol 1,4-bis(methanesulfonate); Ovastat; Threosulphan; Treosulphan; Tresulfan |
化学的データ | |
化学式 | C6H14O8S2 |
分子量 | 278.29 g·mol−1 |
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トレオスルファンは、Trecondiの商標名で販売されており、造血幹細胞移植の際にドナーからの骨髄移植の前に投与される医薬品である。骨髄細胞を除去して移植骨髄細胞のための余地を作る、前処置に利用される[2]。血液のがんを抱える成人と生後1ヶ月以降の小児や、骨髄移植を必要とする他の重篤な疾患の成人に対し、フルダラビンとともに使用される[2]。
トレオスルファンは体内でエポキシドに変換され、特に骨髄細胞など迅速に増殖する細胞に対し、細胞分裂中にDNAに結合することで細胞を殺す[2]。
成人と小児で最も一般的な副作用は、感染症、吐き気、口内炎、嘔吐、下痢、腹痛である[2]。疲労感、発熱性好中球減少症、血中ビリルビン値(赤血球の分解産物)の上昇も成人の10人に1人以上の割合でみられ、小児の10人に1人以上の割合で発疹もみられる[2]。