ナワル・エル・ムータワキル
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ナワル・エル・ムータワキル (Nawal El Moutawakel、アラビア語: نوال المتوكل、1962年4月15日 - )は、モロッコの陸上競技選手である。ロサンゼルスオリンピックではじめて行われた女子400mハードルで54秒61の記録を出し金メダルを獲得した。レース前の予想では地元アメリカ勢やヨーロッパ勢・オーストラリアなどの上位独占が予想され、エル・ムータワキルがメダルを獲得するという予想は少なく、まさに大番狂わせであった。
エル・ムータワキルが獲得した金メダルは、イスラム教徒、また、アフリカ人の女性としてはじめて獲得したものであり、スポーツをするイスラムの女性たちにとっての大きな前進であった。また、彼女はモロッコ史上初のオリンピック金メダルをもたらしたため、彼女の出身地のカサブランカでは真夜中にもかかわらず、彼女の達成した快挙に街中が熱狂的に沸いた。
エル・ムータワキルは、1998年に国際オリンピック委員会委員に就任。2016年夏季オリンピックの候補都市の評価委員会の委員長を務めた後、2016年リオデジャネイロオリンピックの準備状況を監督するIOC調整委員会委員長を務めた。