ニヌルタ
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ニヌルタ(𒀭𒊩𒌆𒅁: DNIN(英語版).URTA(英語版)、「オオムギ[の]主」[3])またはニンギルス(Ninĝirsu、𒀭𒊩𒌆𒄈𒋢:DNIN(英語版).ĜIR2.SU(英語版)、「ギルス(英語版)[の]主」[4])は農耕、治癒、狩猟、法、筆記、戦争に関連する古代メソポタミアの神(英語版)。シュメル時代から信仰を得ていた。最初期の記録では、ニヌルタは農業と治癒の神であり、人々の病を治し悪魔の力から解放する神であった。後の時代には、メソポタミアの軍事化に伴い、農耕神としての初期の属性の多くを保持しつつも戦士の神となっていった。彼は神々の長エンリル神の息子であると考えられており、シュメルにおける宗教行為(英語版)の中心はニップル市のエ・シュメシャ(Eshumesha)神殿であった[1]。ラガシュのグデア王(在位:前2144年-前2124)はニンギルスを称え、ラガシュにニンギルス神殿を再建した。
ニヌルタ 𒀭𒊩𒌆𒅁 | |
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農業、狩猟、戦争の神 | |
住処 |
ニップルのエ・シュメシャ(Eshumesha)神殿 後のアッシリア時代にはカルフ |
惑星 | 土星 |
シンボル | 鋤と止まり木に止まった鳥(perched bird) |
配偶神 |
ニンギルスとして:バウ(英語版)[1] |
親 | 通常はエンリル神とニンフルサグ女神。エンリル神とニンリル女神である場合もある |
乗り物 | 時にライオンの体とサソリの尾を持った獣に乗っている |
ギリシア神話 | クロノス[2] |
ローマ神話 | 土星[2] |
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後にニヌルタはアッシリア人から素晴らしい戦士として人気を博するようになった。アッシリア王アッシュル・ナツィルパル2世(在位:前883年-前859年)はニヌルタ神のためにカルフに巨大な神殿を建設した。その後、この神殿はニヌルタの最も重要な信仰の拠点となった。
叙事詩『ルガル・エ(英語版)』では、ニヌルタは喋る棍棒シャルル(英語版)を用いて悪魔アサグを殺し、石を使ってティグリス川とユーフラテス川を灌漑できるようにした。シュメルの『農事歳時記』とも呼ばれる詩では、ニヌルタは農民たちに農業にまつわる助言を与えている。あるアッカド神話では、ニヌルタは父であるエンリル神から天命の書板(英語版)を盗み出したアンズー鳥に立ち向かう神々の英雄(champion of the gods[訳語疑問点])であり、そしてある神話では「殺された勇士たち(Slain Heroes)」と呼ばれる戦士たちの一団を殺害した神である。この神話は完全な形では現存しないが多くの作品で触れられている。ニヌルタ神の主たるシンボルは止まり木に止まった鳥(perched bird)と鋤である。
ニヌルタは「勇敢な狩人」ニムロドの人物像に影響を与えているかもしれない。彼は『旧約聖書』「創世記」においてカルフと関連付けられて言及されている。むしろ、より伝統的には、神話上のニヌルタが、聖書のニムロドとされるような歴史上の人格から影響を受けているともされる[5]。彼はまた『旧約聖書』「列王記下」でニスロクという名で言及されているかもしれない[注釈 1]。19世紀、カルフのニヌルタ神殿から発見された有翼鷲頭の人物像が「ニスロク」であるという誤った理解が一般に普及し、当時のファンタジー文学の中にこの設定が見られる。