バンコマイシン耐性腸球菌
抗生物質バンコマイシンに対する薬剤耐性を獲得した腸球菌 / ウィキペディア フリーな encyclopedia
親愛なるWikiwand AI, これらの重要な質問に答えるだけで、簡潔にしましょう:
トップの事実と統計を挙げていただけますか バンコマイシン耐性腸球菌?
この記事を 10 歳向けに要約してください
すべての質問を表示
バンコマイシン耐性腸球菌(バンコマイシンたいせいちょうきゅうきん、vancomycin-resistant enterococci、VRE[1])は、バンコマイシンに対する薬剤耐性を獲得した腸球菌(enterococci)のことである。人間に病原性を持つ腸球菌にはエンテロコッカス・フェカリス Enterococcus faecalisとエンテロコッカス・フェシウム Enterococcus faeciumがあり、フェシウムはもともとほとんどの抗生剤に耐性の菌種であるが、いずれもVREとして出現している。
そもそも、腸球菌とは人間や動物の腸内に存在する常在菌の一種であって、通常の健康体ではこの腸球菌が感染症を引き起こす原因となることはないが、何らかの病気にかかって免疫力が低下している状態では、心内膜炎や敗血症、尿路感染症などを引き起こす可能性がある。こうした場合の治療には、感染に対して有効な抗生物質が投与される。腸球菌はもともと多くの抗生剤に耐性があり、そのうえ免疫力の弱った患者にしか発症しないことから、VREではない腸球菌による感染であっても敗血症などを発症した場合の死亡率は17-51%に上る。
しかしながら、バンコマイシン耐性腸球菌は、バンコマイシンに対して既に耐性を獲得した腸球菌のことであるから、バンコマイシンの投与は無効であるか、もしくはその効果を期待することが困難である。バンコマイシン耐性腸球菌感染症はさらに重症な疾患と化している。