Loading AI tools
ウィキペディアから
フロントグリルは、一般的に自動車の進行方向面(前面、フロント)の、網や格子の部分のことである。バンパーの開口部についているものではなく、ボンネットについているもの(特に左右の前照灯間の大きな開口部)を指す傾向にある。「グリル」(英語: grille)は窓や門などの装飾的格子を意味する(調理用の焼き網のgrillとは別の単語)。
自動車のフロントグリルは車体の最前面にあり、真正面から空気に当たる部分であるために、この部分にラジエーターを配置することも多く、その場合はラジエーターグリルとほぼ同義である。ラジエーターは細いパイプで設計されることが多く、飛び石などで変形しやすいため物理的に保護するべきだが、全て覆ってしまうと放熱の効率が低下するため、大きな開口部を設け、空気の流れを阻害しにくい網で覆ったのがグリルである。
しかし一般的にはそうした機能以上に、自動車の「顔」としての役割のほうが取り沙汰される事が多い。ヘッドライトと合わせ統一したグリルデザインを採用することにより、ブランドとしての統一感を向上させることを狙う場合がよく見られる。
2000年代後半からは開口部を大きく見せようとする車両が多く登場した。主に冷却性能のよさそうな印象を持たせ、高性能な印象を持たせる戦略や、単純に見た目で周囲を威圧する厳つい印象を持たせたい(そう言った印象を好むユーザー向けの)車両に見られる傾向にある。2010年代以降はよりそうしたグリルが好まれるようになったためか、華美な高級車から手の届きやすい大衆車まで、大きなグリルを備える車種が増えている。
一方で二次電池式電気自動車(BEV)は内燃機関車(ICE)と比較して作動には空気(酸素)は不要で熱的にも厳しくないため積極的に外気を取り入れる必要がないことと、先進性の訴え掛けも含めあえてグリルの無い(グリルレス)デザインを採用する場合が多い。グリルそのものがメーカーアイコンととなっている場合、グリルと見えるデザインは採用されていても機能上はグリルレスと同等になっている。
過去にはボンネットの鉄板をそのまま曲げて延長したような、デザイン性を一切追求しないものもあった。そのようなリアエンジン車では逆に後端がグリル状のものも存在した[注釈 1]。
車体の開口部は空気抵抗の要因ともなるため、冷却効率と空気抵抗の低減を両立したデザインが要求される。またチューニング車で冷却率を上げる目的でグリルを撤去する者もいるが、かえって冷却効率を悪化させていることが多い。近年ではグリルに自動で開閉するシャッターを設け、速度や熱状態により開閉させ、空気抵抗の低減を図る例も見られる。
ここでは特徴的なデザインで、かつ固有の名称を持つグリルについて挙げる。ダッジのように統一的なデザイン(クロムメッキの十字)を採用したが特に名称を定めていないメーカーもある。
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.