ヘリオガバルス
ローマ帝国の皇帝 / ウィキペディア フリーな 百科事典
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マルクス・アウレリウス・アントニヌス・アウグストゥス(ラテン語: Marcus Aurelius Antoninus Augustus[1]、204年- 222年[2])は、ローマ帝国第23代皇帝で、セウェルス朝の第3代当主。ヘリオガバルス(Heliogabalus )、またはエラガバルス(Elagabalus )という渾名・通称で呼ばれることが多く、これはオリエントにおけるヘーリオス信仰より派生した太陽神のエル・ガバル(英語版)(「山の神」の意)を信仰したことに由来する[3]。歴史上稀にみる美貌と、異常な性癖、行動で有名なローマ皇帝である。
ヘリオガバルス(エラガバルス) Heliogabalus (Elagabalus) | |
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ローマ皇帝 | |
![]() 「ヘリオガバルス胸像」(カピトリーノ美術館所蔵) | |
在位 | 218年6月8日 - 222年3月11日 |
別号 |
ウァリウス・アウィトゥス・バッシアヌス Varius Avitus Bassianus |
全名 |
カエサル・マルクス・アウレリウス・アントニヌス・アウグストゥス Caesar Marcus Aurelius Antoninus Augustus |
出生 |
203年3月20日 エメサ(現在のシリア・アラブ共和国・ホムス) |
死去 |
222年3月11日 ローマ |
継承 | アレクサンデル・セウェルス |
配偶者 | ユリア・コルネリア・パウラ |
アクウィリア・セウェラ | |
アンニア・アウレリア・ファウスティナ | |
ヒエロクレス(男性) | |
子女 | アレクサンデル・セウェルス(従弟・養子) |
王朝 | セウェルス朝 |
父親 | セクストゥス・ウァリウス・マルケルス |
母親 | ユリア・ソエミアス・バッシアナ |
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セウェルス朝の初代皇帝セプティミウス・セウェルスの外戚にあたるバッシアヌス家出身のシリア人で、元の本名はウァリウス・アウィトゥス・バッシアヌス(Varius Avitus Bassianus)といった。セウェルスの長男であったカラカラ帝が暴政の末に暗殺されるとバッシアヌス家もまたローマより追放されたが、彼の母ユリア・ソエミアス(英語版)は密かにセウェルス朝復権の謀議を画策した[注釈 1]。血統上、カラカラ帝の従姉にあたるソエミアスは自身が夫との間にもうけた子アウィトゥス(ヘリオガバルス)が先帝カラカラの隠し子であると主張して反乱を起こした。戦いは既に帝位にあったマクリヌス側の敗北に終わり、セウェルス朝復権を名目としてわずか14歳のヘリオガバルスが皇帝に即位した。
彼の統治は他の如何なるローマ皇帝達をも越える、ローマ史上、そして世界史にも稀に見る最も特異で破天荒な君主であったと言える。ヘリオガバルスは色欲に明け暮れ、更にその嗜好も特殊で大衆を驚かせた[5]。宗教面でも従来の慣習や制度を廃し、エル・ガバルを主神とするなど斬新な政策を行った。しかし一方、経済政策では合理的なスタンスを取り、当時としては珍しく、貧富に関わりなく無償で料理を振る舞い、貧困層の市民や女性に装飾品や生活用品を分け与え、男性社会であるローマで女性を登用するなど、進歩主義的な善行で一部の女性や貧困層の市民から尊敬されていた事が近年では着目されており、母や祖母の影響、異様な若さ、性別に違和感を抱えていたことから同情的な見方をされることも多く、彼を主人公にした作品の舞台が上映されるなど、好意的な評価を受ける事も多い。
ヘリオガバルスの異色の性生活についての話題は、彼の政敵によって誇張された部分があるとみられているが[6]それ故に彼に関する情報も文献によって大きな差異があり、中には明らかに誇張されていると見られる伝記もある。彼に対する誤った逸話が拡散され、現代に至っても恥辱を受けている事から「凍てついた永遠の恥辱を受ける者」と、語られる事がしばしばある。中世のキリスト教保守派の歴史家からもあまり良く無い評価を受けている。とりわけヘリオガバルスは近世の歴史家に忌み嫌われたが、先ず性的少数者が処罰の対象となっていた当時の保守的な世相から考えれば当然であった。[5][7]。『ローマ帝国衰亡史』で知られる18世紀の歴史家エドワード・ギボンにいたっては「醜い欲望と感情に身を委ねた」として「最悪の暴君」とかなり酷い評価を下している[8]。19世紀前半のドイツの歴史家バルトホルト・ゲオルク・ニーブールもまた、主著『ローマ史』のなかでヘリオガバルス帝は異常であったと論評している[9][注釈 2]。
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