三中心二電子結合
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三中心二電子結合(さんちゅうしんにでんしけつごう、英: three-center two-electron bond)とは、電子不足な化合物に現れる化学結合の様式のひとつで、3個の原子が2個の電子を共有しながら結びついている状態である。3c-2e と略記される。
三中心結合の考え方では、3個の原子がそれぞれ1個ずつ原子軌道を与え、3個の分子軌道、つまり結合性軌道と非結合性軌道と反結合性軌道を形成する。2個の電子がその結合性軌道へ入ると、3個の原子を結びつける結合力を生み出す。多くの場合、結合性軌道は3個の原子に均等に配置するのではなく、2個の原子の上に偏っている。また、3個の原子の並びはバナナのように曲がっており、バナナ型結合と称される。