亜熱帯低気圧
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亜熱帯低気圧(あねったいていきあつ、英: subtropical cyclone)とは、熱帯低気圧と温帯低気圧の中間的な性質をもった低気圧のこと。
対流圏下層では熱帯低気圧と同じ性質がみられるが、上層では寒気を伴っていて温帯低気圧の特徴を有している。基本的には熱帯低気圧のように暴風を伴い、湿った空気と大雨をもたらす。しかし熱帯低気圧と違って、北半球で発生した場合、雲の塊は回転する中心の北側または東側に偏って存在(南半球では西または南側)し、暴風の最も強い部分も中心から約500kmほど離れた辺縁部にあるほか、構造上気象やトラフとつながっていてそれらと関連性が強い[1]。
現在、亜熱帯低気圧を低気圧の大分類として採用しているのはNOAA・NHCなど限られた機関のみである。NHCが管轄する大西洋海域やフランス気象庁管轄の南西インド洋では、熱帯低気圧と同様に亜熱帯低気圧にも命名を行っている。一方、日本の気象庁では、一般に馴染んでいないことなどから予報用語として採用しておらず、公式には使用していない[2]。