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カップケーキ(英:cupcake、イギリス英語:fairy cake、アイルランド英語:buno、オーストラリア英語:fairy cakeまたはpatty cake)は薄い紙やアルミ箔のカップで焼かれた、一人前の大きさほどの小さなケーキである。これより大きいサイズのものと同様に、アイシングやキャンディーなどのケーキデコレーションを用いて飾ることができる。
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カップケーキに関して初めて記述されたのはアメリア・シモンズによって執筆されたAmerican Cookeryにおいて「小さなカップで焼かれたケーキ」のレシピが記載された1796年までさかのぼる。[1]初めてカップケーキという言葉の記載が確認できる書物は、 エリザ・レスリーが作った"Receipts"という料理本の中の"Seventy-five Receipts for Pastry, Cakes, and Sweetmeats"である。。[2]
19世紀初頭において、"cupcake"や"cup cake"は違うものを指していた。その後、マフィン焼き器が広く知れ渡った後、このケーキを陶製のカップやラメキン、金型などで焼かれることもしばしばあり、その焼く容器からこの名がつけられた。これは現在でも残っている名称の用い方であり、現在ではティーカップ程の大きさのどんなケーキであればカップケーキと呼ばれている。いっぽうイギリスのfairy cakesはアメリカのカップケーキと大きさが異なり、より小さく、また手の込んだアイシングがかかっていることは稀なことであった。
他の種類のカップケーキは材料の重さを図るのではなく、一般的な大きさのカップを用いて量をはかるケーキを指す。通常のサイズのカップで図られた材料を用いたレシピでもカップの中で焼くことはできたのだが、層状だったりブリキ型に入れられて焼かれることが一般的であった。晩年、家庭の台所でも容量をはかる手段がが広く根付くと、これらのレシピは1カップのバター、2カップの砂糖、3カップの小麦粉、4カップの卵の4つの材料から作られることから、1234 cakesやquarter cakesと知られるようになったと言われている。[3][4]これらは焼くと黄色になるケーキであったが、パウンドケーキと比べて半分程度のバターやケーキしか使わないので、パウンドケーキに比べて幾分か安価でお手頃であった。これらの2つの有名なケーキの名前はケーキ職人にカップケーキであれば量をはかり、パウンドケーキであれば重さをはかるといった作り方を伝えるように意図されていたのである。[3]
一般的なカップケーキはバター、砂糖、卵、小麦粉といった通常サイズのケーキと同じ材料を用いる。レイヤーケーキに適したどのような作り方でもカップケーキを焼くことができる。カップケーキに用いられる生地にはレーズンやベリー、ナッツ、チョコチップといったものが混ぜられて、味付けされてていることがある。
カップケーキの小ささは熱伝導の観点において優れており、普通のレイヤーケーキよりもとても早く焼くことができる。
カップケーキはフロスティングやその他ケーキデコレーションが施されていることがある。また、カップケーキの内部がフロスティングや果実、クリームで満たされていることもある。中身の入ったカップケーキを少ない数だけ作る職人は、スプーンやナイフで上をすくって穴をあけることで作っていた。また、クリームの絞り袋を中に差し込んで作るといった方法もある。お店で作る場合には、中身は注射器を用いて注入することもある。丁寧にデコレーションされたカップケーキは特別な時に作られる。
カップケーキは最初、重たい陶器のカップで焼かれていた。今でもラメキンや小さいマグカップ、大きなティーカップ、またその他オーブンにかけることのできるタイプの陶器の皿をカップケーキを焼くのに使っている職人もいる。
カップケーキは普通は、マフィン焼き器で焼かれる。これはたいていノンスティックというコーティングがされた鉄で作られおり、6個か12個のくぼみか「カップ」がついている。せっ器やシリコン等の他の材質で作られていることもある。小さいものや多いものもあるが、一般的なカップのサイズは直径3インチ (76 mm)で、重さは 4オンス (110 g)程度である。[14]特殊な焼き器には様々な大きさや形が存在する。
パティーケースやライナーという紙のカップがカップケーキを焼くのに使われている。これらは円形の薄い紙をプレスして溝のついたカップ状にしていることが多い。ライナーによって焼き器からカップケーキを取り出すのを容易にでき、カップケーキを湿った状態に保ち、焼き器を洗う労力を減らすことができる。[14]ライナーを使うことによって、カップケーキを手渡しする場合でも衛生を保つことができる。カップケーキ焼き器と同じよう、ライナーにもさまざまなサイズがあり、小さいものから巨大なものまで存在する。
ライナーは紙のものに加え、アルミ箔のものや、ラバーで作られていて何度も使えるタイプもある。これらのライナーは自立することができるので、平らなベーキングシートの上で使えることができ、このことによってマフィン焼き器を持たない人たちの間での使用が広まった。大きな紙のライナーだと溝がついておらず、分厚い紙で作らており、強度をつけるため上端を丸めていることがある。そのため焼き機に入れなくても自立することができるのである。また、薄い紙のカップを2、3枚重ねて使い、一つのアルミ箔のカップの強さにして使う職人もいる。
「ペーパーケースともいわれるライナーは様々なサイズがある。国によって普通とされているサイズも多少異なる。小型のカップとして一般的なサイズは底面の直径は27 - 30ミリメートル (1.1 - 1.2 in)で高さが20ミリメートル (0.79 in)である。一般的なサイズだと底面の直径は45 - 53ミリメートル (1.8 - 2.1 in)で高さが30 - 35ミリメートル (1.2 - 1.4 in)となる。オーストラリアやスウェーデンでは、アメリカやイギリスに比べてより上面の直径が大きいペーパーカップを使用している。[15]
21世紀前半、ほとんどカップケーキしか売らない店の人気がアメリカで高まり、このケーキにノスタルジアが呼び起されるものであった。ニューヨークでは、マグノリアベーカリーのようなカップケーキの店がHBOが制作した『セックス・アンド・ザ・シティ』などのテレビに出てくることで有名になった。[16]
アメリカで最も大きい上場企業であるカップケーキのチェーン店のクラムズベークショップは2011年に株価が最高値をつけた。食料品店や地元の家族経営の店との競争の結果、売り上げが減り2013年の見通しの悪化や株価の暴落につながった。[17]
ジョージタウンカップケーキはワシントンD.C.で初めてオープンしたカップケーキのお店である。2010年にザ・ラーニング・チャンネルのDC Cupcakesというカップケーキに関する6話構成のリアリティ番組において、このカップケーキのお店の店主であるソフィー・ラモンターニュとキャサリン・キャリニーを紹介したことで、広く知れ渡るようになった。[18]
カルフォルニアのビバリーヒルズに店を構えるスプリンクルズカップケーキはフード・ネットワークのCupcake Warsという番組において紹介されたキャンディス・ネルソンがオーナーである。また、彼女の夫がチャールズ・ネルソンである。[19]スプリンクルズカップケーキは350個のカップケーキを一度に保存できる自動販売機のようなものである「カップケーキATM」を初めて導入した。[20]
カップケーキはイベントやテーマを祝ったり、華やかにしたりするのに用いることがある。
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