利用者:Poo tee weet?/5
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ビーナスの小像(Venus figurines)とは先史時代、特に後期旧石器時代に属する共通の身体的特徴をそなえた女性の姿を描いた彫像を包括して指す言葉である。そのほとんどがヨーロッパで発見されたものだが、はるか東のシベリア、イルクーツク州で見つかったものもあり、広くピレネー山脈からバイカル湖へとユーラシア大陸のほぼ全土に分布している。
時代的にはグラヴェット文化期に属するものが大半を占めるが、さらに古いオーリニャック文化期にも例が見つかる。例えば2008年に発見されたホーレ・フェルスのヴィーナスは炭素年代測定法によれば少なくとも3万5千年は遡る美術品であるし、旧石器時代の末期にあたるマドレーヌ文化のモンリュのヴィーナスは1万1千年前の彫像である。つまり「ビーナスの小像」とは最初期の先史美術の作品群なのである。
材料となっているのは軟らかい石(滑石、方解石、 石灰岩など)や骨、象牙の類である。粘土を成形して焼いているものもあるが、そういった小象はそのまま知られる限り最古の磁器の1つともなる。あわせて百を超える彫像が見つかっており、事実上ほぼ全てが高さにしてだいたい4cmから25cmという中庸な大きさにおさまっている。