千羽鶴 (小説)
川端康成の長編小説 / ウィキペディア フリーな encyclopedia
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『千羽鶴』(せんばづる)は、川端康成の長編小説。川端の戦後の代表作の一つで、芸術院賞を受賞した作品である[1][2]。亡き不倫相手の成長した息子と会い、愛した人の面影を宿すその青年に惹かれた夫人の愛と死を軸に、美しく妖艶な夫人を志野茶碗の精のように回想する青年が、夫人の娘とも契る物語[3]。匂うような官能的な夫人の肉感に象徴される形見の志野茶碗の名器の感触と幻想から生まれる超現実な美的世界と、俗悪に堕した茶の湯の世界の生々しい人間関係が重なり合って描かれている[3][4]。
概要 千羽鶴, 訳題 ...
千羽鶴 | |
---|---|
訳題 | Thousand Cranes |
作者 | 川端康成 |
国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
ジャンル | 長編小説 |
発表形態 | 雑誌掲載 |
初出情報 | |
初出 |
千羽鶴 「波千鳥」-『小説新潮』1953年4月号(第7巻第5号)挿絵:佐藤泰治 「旅の別離」-『小説新潮』1953年5月号 「父の町」-『小説新潮』1953年6月号 「荒城の月」-『小説新潮』1953年9月号 「新家庭」-『小説新潮』1953年10月号 「波間」-『小説新潮』1953年12月号 「春の目」-『小説新潮』1954年3月号 「妻の思ひ」-『小説新潮』1954年7月号(第8巻第9号) |
刊本情報 | |
刊行 |
千羽鶴 新潮文庫 1989年11月15日 |
収録 |
波千鳥 『川端康成選集第8巻 千羽鶴』 新潮社 1956年11月25日(「波間」まで) 『川端康成全集第22巻・未刊行作品集(2)』 新潮社 1982年 1月(「春の目」「妻の思ひ」) |
受賞 | |
読売ベスト・スリー(1951年度) 芸術院賞(1951年度) | |
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続編に未完の『波千鳥』(なみちどり)があり、近年はこれと合わせて一つの作品として扱われ、論じられることが多い。