名島の檣石
日本の植物化石 / ウィキペディア フリーな encyclopedia
名島の檣石(なじまのほばしらいし)は、福岡県福岡市東区名島1丁目にある、国の天然記念物に指定された珪化木である。「檣石」が難読漢字であるため「帆柱石」とも表記される[1]。この珪化木は約3,500万年前の第三紀のカシ属樹木の主幹が化石になったものである[2][3][4]。
博多湾の東北岸に面した磯場に、連続した9つの円柱状の珪化木が汀線上に並んでおり[5]、干潮時は地表に現れているが満潮時はほぼ水没する。天然記念物としての指定範囲は陸上側と公有海面側の双方にまたがり、陸上側の範囲は隣接する名島神社境内の一部であり[6]、名島の檣石の所有者および管理者は同神社である[2]。
伝説によれば神功皇后が三韓征伐の際に使用した帆船の帆柱が石になったものと言われ[6]、周辺地域では古くより「檣石(ほばしらいし)」と呼ばれ広く知られていた[4]。国の天然記念物に指定された珪化木は全6件あるが、このうち名島の檣石は最も早い時期の指定となる1934年(昭和9年)5月1日に国の天然記念物に指定された[7]。