境界値問題
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数学の微分方程式の分野における境界値問題(きょうかいちもんだい、英: Boundary value problem)とは、境界条件と呼ばれる付帯的な制限が与えられている微分方程式のことである。境界値問題の解とは、与えられた境界条件を満たすような微分方程式の解のことである。
境界値問題は、物理学のいくつかの分野によく現れる。「正規モード(英語版)の決定」のような波動方程式を含む問題はしばしば境界値問題として記述される。境界値問題に関する一つの重要な理論としてスツルム=リウヴィル理論がある。その理論における境界値問題の解析には、微分作用素の固有関数の計算が含まれる。
応用上意義のあるものであるために、境界値問題は良設定問題でなければならない。これはすなわち、問題に与えられた入力に対して、その入力に連続的に依存するような解がただ一つ存在することを意味する。
偏微分方程式の分野における多くの理論的な研究は、科学的あるいは工学的な応用上実際に良設定であるような境界値問題の解決を目的としている。最も早い境界値問題の研究として、ラプラス方程式の解である調和関数の発見についてのディリクレ問題が挙げられる。その解はディリクレの原理により与えられた。