庶子
正室または正妻ではない女性から生まれた子供 / ウィキペディア フリーな encyclopedia
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この項目では、近代以前の子の身分について説明しています。
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庶子(しょし)は、正室ではない女性から生まれた子供を指す語。結婚(婚姻)制度の確立により生じた概念である。そのような制度が確立していない社会においては、母親の身分や両親の関係によって区別を受けた以外に嫡出庶出といった区別は意味を持たなかった。
結婚制度は、(1)相続権・親族関係の明確化といった世俗的な要求と、(2)性交渉に拘わるモラルの確立といった道徳的・宗教的な要求から生じて来たものであり、その枠外である庶子は、世俗的権利とモラルの両面において嫡子と差別を被ることになる。
大小の差別を受けるにも拘わらず、庶子が存在したのは次のような理由が考えられる。
- 相続が認められる社会においては跡継ぎの確保、認められない社会においても一門の繁栄という観点から。相手は側室等
- 多くの時代において結婚は、影響力や財産の確保を目的とした家同士のつながりにより行われたため、身分差などで結婚出来ないとき。相手は愛人・妾等
- 聖職者等、父親が妻帯出来ない職業の場合。
本来、「庶子」という語は広く婚外子を指す語であるが、その中でも「側室や妾が生んだ子供」という意味も持っているため、現代では差別的であるとして通常使われていない。1942年に改正されるまでの民法においては、父親が認知した婚外子を「庶子」、認知していない婚外子を「私生児」と呼んだ[1]。1942の年民法改正後では「嫡出でない子」、特に近年では「婚外子」という語が用いられている。嫡出の項を参照のこと。