摂動完全均衡
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摂動完全均衡 (せつどうかんぜんきんこう,英: trembling hand perfect equilibrium, 独: trembling-hand-perfektes Gleichgewicht) とは,ナッシュ均衡の精緻化のひとつ.1975 年に International Journal of Game Theory 誌に掲載された論文において,“A Model of Slight Mistakes” (軽微な誤りのモデル) の名前で,ラインハルト・ゼルテンによってこの概念が発見された.ここでの狙いは,均衡はプレーヤーたちの誤りによってどの程度影響されるかを決定することである.ゼルテンによれば,プレーヤーたちが完全に合理的に行動するならば,誤りは起こらない.しかし現実では,人びとは相手のプレーヤーの誤った決定を計算に入れねばならない.この点をゲーム理論的に表現するために,摂動完全均衡が生みだされた[1].