水平対向エンジン
レシプロエンジンの形式のひとつ / ウィキペディア フリーな encyclopedia
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水平対向エンジン(すいへいたいこうエンジン、英: Horizontally-opposed cylinder engine)または水平対向機関は、レシプロエンジンの形式の一つで、1本のクランクシャフトをはさんでシリンダー(気筒)を左右に水平に配置し、対になるピストン同士が必ず向かい合うように下降または上昇するエンジンである[1]。ボクサーエンジン(boxer engine)やフラットエンジン[注釈 1](flat engine、平たいエンジン)とも呼ばれる。
最も一般的な水平対向エンジンは、向かい合うシリンダー中でピストンが180度位相で運動するボクサー型[2]である。気筒配置や外形の似たエンジンとして、左右の向かい合ったシリンダーがクランクピンを共有する180度V型がある(詳細は後述)。なお、外観上から水平対向エンジンであるか180度V型エンジンであるかを識別することは、極めて困難である。
日本産業規格(JIS)は水平対向機関を「2列のシリンダーバンク(英語版)を、クランク軸の両側に対向して配置した機関」[3]と定義する(JISB0108-1:1999、番号12.10)。国際標準化機構(ISO)による定義も同様である[4]。この定義はボクサー型と180度V型の両方を含む。一方で、ドイツ工業規格(DIN)は "Boxermotor" を「2列のシリンダーが対向している1つの平面内のシリンダー配置。クランクシャフトはシリンダーごとにクランクピンを持つ。」と定義する(DIN-Norm 1940)[5]。この定義はボクサー型のみを含む。
米国自動車技術者協会(SAE International)が出版しているDictionary of Automotive Engineeringでは以下のように用語が解説されている[6]。
- フラットエンジン(flat engine)
- シリンダーが水平面内に配置されたエンジン、特に水平方向に対向して配置されたエンジン。
- 水平対向エンジン(horizontally opposed engine)
- クランクシャフトの両側にシリンダーが水平に配置されているエンジン。
- ボクサーエンジン(boxer engine)
- 水平対向エンジンのこと。砕けた表現。
180度V型を水平対向と呼んでいる例としては、フェラーリが自社の180度V12エンジンを「水平対向12気筒 (12 horizontally opposed cylinders)」と説明していたり[7]、SUBARUが開発した180度V12エンジン(英語版)を同じく「水平対向12気筒」[8]と記している例が挙げられる。また、フェラーリが180度V12エンジン搭載車である365GT4BB・512BBのようにBB(=「ベルリネッタ・ボクサー」)と用いた例もある[9]。
以下本項では、「ボクサーエンジン」と「180度V型エンジン」とを区別して呼び、JIS規格にならいこれらを総称して「水平対向エンジン」と呼ぶことにする。