水星の大気
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水星の大気[1] | ||
種類 | CD[n 1] cm−2 | SD[n 2] cm−3 |
水素 (H) | ~ 3 × 109 | ~ 250 |
水素分子 | < 3 × 1015 | < 1.4 × 107 |
ヘリウム | < 3 × 1011 | ~ 6 × 103 |
酸素 | < 3 × 1011 | ~ 4 × 104 |
酸素分子 | < 9 × 1014 | < 2.5 × 107 |
ナトリウム | ~ 2 × 1011 | 1.7–3.8 × 104 |
カリウム | ~ 2 × 109 | ~ 400 |
カルシウム | ~ 1.1 × 108 | ~ 300 |
マグネシウム | ~ 4 × 1010 | ~ 7.5 × 103 |
アルゴン | ~ 1.3 × 109 | < 6.6 × 106 |
水 | < 1 × 1012 | < 1.5 × 107 |
その他 | ネオン、ケイ素、硫黄、アルゴン 鉄、二酸化炭素、 etc. | |
水星のように重力の小さい星においては十分に気体を保持することはできず、気体はすぐに流出し、真空に近い状態である。しかし非常に希薄ながら水星近辺には気体が存在し、地表に直接接する外気圏となっている。水星は変化に富んだ外気圏を持っており、10−14バールの複合圧で水素、ヘリウム、酸素、ナトリウム、カルシウム、カリウム、水蒸気などを含んでいる[2]。また外気圏の元素は太陽風や惑星の地殻に由来しており、場所によっては元素の分布が変わる。太陽光圧は大気を押しており、惑星の背後には彗星のような尾が存在している。
水星の大気については月の大気のように大気がほとんどないというのが大方の見方であったが、議論があった。1974年にマリナー10号が非常に薄い外気圏を発見したことによってこの議論に決着がつき、2008年にはメッセンジャーによってより詳細な測定値が得られ、水星の外気圏にマグネシウムが発見された。