陰部(いんぶ)は、人間の体の外部に現われた生殖器(外性器)を指す言葉[1]局部(きょくぶ)、局所(きょくしょ)、恥部(ちぶ)、隠し所(かくしどころ)とも呼ぶ[2]。また、デリケートゾーン(和製英語: delicate zone [3])とも呼ばれる[4]ほか、本来は股の間を指す股間(こかん)の語を用いることもある。

男性器模型(左が通常時、右が勃起時)
女性器模型

女性の場合は恥丘大陰唇前庭球小陰唇およびその陰裂の内側にある陰核包皮から尿道口を経由してにかけての女性器を指す。会陰肛門陰毛も陰部の一部に含めることがある。男性の場合は陰毛陰茎陰嚢などの男性器を陰部と指す[5]

陰部の病気

陰部の皮膚粘膜に近くデリケートなため、下着などで保護されることが多い。そのため高温・高湿になりやすく、また下着による締め付け、汗や汚れなどにより、かゆみが発生することがある[4]。かゆみの原因は外部刺激による炎症である「かぶれ」と、細菌ウイルスカビなどによる「感染症」に大別される[4]。かゆみを引き起こす感染症としては、性器ヘルペス性器クラミジア膣トリコモナス症性器カンジダ症いんきんたむし毛ジラミ症などがある[4]。かゆみを伴わない感染症としては、淋病尖圭コンジローマなどがある[6]

デリケートゾーンケア

持田ヘルスケアが2022年7月に実施した、20代から40代の女性2万人を対象にしたデリケートゾーンケアに関するインターネット調査によれば、4人に3人は生理の時に「不快感」があり、不快の内容については「頭痛、腹痛、腰痛、下腹部など体の痛み」に次いで「デリケートゾーンのトラブル」を挙げたものの、4割近くは対応をしていないと回答している[7]

生理用品の不適切な使用や、陰部の洗いすぎなどもトラブルの原因とされ、近年ではデリケートゾーン専用の洗浄剤も多く販売されるようになってきている[8]。ある臨床心理士によれば、清潔にして、保湿と通気性を保つことをしていれば基本的には改善することが多いとしている[9]

水着を着る箇所でもあり、陰毛がはみ出ることを避けるため、青年以降は俗にいうVIOを脱毛処理することもある。VIOとは形状からの命名で、Vライン(ビキニライン)、Iライン(陰部の両わき)、Oライン(肛門まわり)のことである[10]。2022年5月に週刊プレイボーイグラビアアイドル104人に行ったデリケートゾーンに関するアンケートでは、104人中79人のアイドルがVIOすべて処理、14人がどこかしら処理(I&Oのみ6人、Vのみ5人、VIのみ1人)、11人が無回答という結果だった[11]

エミナルクリニックが2023年7月に実施したVIO脱毛経験のある女性1008人を対象にしたインターネット調査では、VIO脱毛によってデリケートゾーンの悩みが改善されたかとの質問に対して、22.3%が「かなり改善された」、54.3%が「少し改善された」、19.7%が「あまり改善されなかった」、3.7%は「まったく改善されなかった」と回答した[12][13]

脚注

関連項目

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