茎頂培養
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茎頂培養(けいちょうばいよう)は、植物組織培養方法の1つ。茎の先端にある「茎頂」部を切り取り、養分を含む培地にて培養する方法[1]で、成長点培養とも言う[2]。
高品質・高収量など目論み培養苗の育成が行われる[3][4]が、必ずしも全ての作物において高品質になるとは限らないとの報告もある[5]。高糖度の果実が収穫されるため、ワイン用ブドウでは収穫時期がウイルスフリー化する以前とは変わる事がある[6]。
茎頂部の組織はウイルスが感染しても植物体からの抵抗(RNAサイレンシング)を強く受け、ウイルス蓄積量が減少し、さらには消滅することになる[7][* 1]。これにより茎頂培養する際には頂端分裂組織に葉原基をつけた状態で摘出し、培養することでウイルスフリーの植物体を作ることができる。しかし、実際にはウイルスフリーの部分は植物種によっても異なるが、約0.2-0.4mm程度と大変小さく100%ウイルスフリー株を作ることは難しい。一般的に茎頂部を小さく摘出すればするほどウイルスフリーとなる確率は高いが、植物体に再生する確率は低くなる[7][8]。