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古文書 ウィキペディアから
請取状(うけとりじょう)は、中世以後にみられる古文書の1つ。物資や金銭、文書の授受に際して、請取・受領の証拠として請取人が発行した。ただし、それ以外の利用法もあったと考えられている(後述)。
古くから用いられてきた領収書の書式である返抄に代わって登場した文書で、文書様式としては請文の系統に属している。
一般的に「所請如件」「所請取如件」「所納如件」などの請取文言と呼ばれる請取・受領の事実及びそれに伴う諸義務の順守を約束した文言が含まれていた。また、「所納如件」は年貢公事の納付に対する請取を証明する文書として出され、それを特に所納状と称する。
ただし、現存する請取状を見ると、請取状を預状や借用書の代替として用いられた例がみられる。これは「請取」という言葉には受領の他に預・借用の意味があったこと、中世において「もの(=動産)」の所有概念がきわめて曖昧で不安定であったため、今後の成り行き次第で請取状が預状にも領収書にもなり得たことなどがあげられる。こうしたことを背景として以下のようなことが行われた。
近世に入ると、年貢に関する請取状は年貢分納のたびに出される小手形とそれと引換に出される村単位の1年分の年貢皆済目録に整理され、その他の請取状は請取証文・請取手形の名称が用いられるようになった。
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