銃・病原菌・鉄
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『銃・病原菌・鉄』(じゅう・びょうげんきん・てつ)は、ジャレド・ダイアモンドによる1997年刊行の学際的なノンフィクション書籍。原題はGuns, Germs, and Steel: The Fates of Human Societiesといい、かつての原題はGuns, Germs and Steel: A Short History of Everybody for the Last 13,000 Yearsであった。草思社により2000年に刊行された翻訳にも「1万3000年にわたる人類史の謎」という副題が付けられている[1]。1998年にピューリッツァー賞(一般ノンフィクション部門)とアベンティス科学図書賞を受賞した。この本に基づいたドキュメンタリーがナショナルジオグラフィック協会により制作され、2005年7月にPBSで放送された[2]。
著者 | ジャレド・ダイアモンド |
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国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
題材 | 地理学、歴史、社会文化的進化、民俗学、文化伝播 |
出版日 | 1997年 (W. W. Norton(英語版)) |
出版形式 | 印刷 (ハードカバーおよびペーパーバック)、オーディオCD、オーディオカセットテープ、オーディオダウンロード |
ページ数 | 480ページ (初版ハードカバー) |
ISBN | 0-393-03891-2 (初版ハードカバー) |
OCLC | 35792200 |
303.4 21 | |
LC分類 | HM206 .D48 1997 |
前作 | セックスはなぜ楽しいか(英語版) |
次作 | 文明崩壊 |
本書はユーラシアや北アフリカの文明がなぜ生き残り、他の文明を征服してきたのかについての説明を試みており、ユーラシアの覇権はユーラシアの知的、道徳的、または固有の遺伝的優位性に起因するものであるという考えに反論している。ダイアモンドは、人間社会の間の権力と技術の差は主に環境の差異に起因しており、これが様々なポジティブフィードバックのループにより増幅されると主張している。また、文化的あるいは遺伝的な差異がユーラシア人を有利にした場合(例えば、書記言語やユーラシア人の間での風土病に対する抵抗力の発達など)、そのような優位性は地理が社会や文化に影響を与えた(例えば、異なる文化間の商業や貿易を容易にするなど)ために生じたものであり、ユーラシア人のゲノムに生来あったものではないと主張している。
2003年の原著改訂版でエピローグの後ろに付け加えられた新たなあとがきと、2005年には「日本人とは何者だろう?」という章が追加された[3]。