関数の零点
ウィキペディア フリーな encyclopedia
関数 f の 零点(れいてん、英: zero, 根(こん、root)と呼ばれることもある)とは、f の定義域の元 x であって、
本項は函数が 0 となる点(x切片)についてのものであり、0 における函数の値(y切片)と混同してはならない。
を満たすようなもののことである。別の言い方をすれば、関数 f の零点 (zero) とは、x を f で写した結果が 0 (zero) となるような値 x のことである。 が x で消えている (vanish) と表現することもできる[1]。実関数、複素関数、あるいは一般に、環に値を持つ関数やベクトル値関数に対して用いられる。
多項式の根 (root) とは、それを多項式関数として考えたときの零点のことである。代数学の基本定理によると、0 でない任意の多項式は根を高々その次数個だけもち、根の個数と次数は、複素数の根(あるいはより一般に代数的に閉じている拡大における根)を重複度を込めて考えると等しい。例えば、多項式
で定義される2次多項式 f は、
となるから、2と3を根にもつ。
関数が実数を実数に写すならば、その零点はグラフが x 軸と交わる点の x 座標である。この意味でそのような点 (x, 0) を x 切片 (x-intercept) とも呼ぶ。
複素数の概念は(判別式が負の値となる)二次方程式や三次方程式の根(負の数の平方根等が含まれる)を扱うために発展したものである。