高野聖 (小説)
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『高野聖』(こうやひじり)は、泉鏡花の短編小説。当時28歳だった鏡花が作家としての地歩を築いた作品で、幻想小説の名作でもある[1][2]。高野山の旅僧が旅の途中で道連れとなった若者に、自分がかつて体験した不思議な怪奇譚を聞かせる物語。難儀な蛇と山蛭の山路を抜け、妖艶な美女の住む孤家にたどり着いた僧侶の体験した超現実的な幽玄世界が、鏡花独特の語彙豊かで視覚的な、体言止めを駆使したリズム感のある文体で綴られている。
概要 高野聖, 訳題 ...
高野聖 | |
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訳題 | The Saint of Mt. Koya |
作者 | 泉鏡花 |
国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
ジャンル | 短編小説、幻想小説 |
発表形態 | 雑誌掲載 |
初出情報 | |
初出 | 『新小説』1900年2月号(第5年第3巻) |
刊本情報 | |
出版元 | 左久良書房 |
出版年月日 | 1908年2月 |
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1900年(明治33年)2月1日、春陽堂書店の文芸雑誌『新小説』第5年第3巻に掲載された。翻訳版はSteven W. Kohl.の訳(英題:The Saint of Mt. Koya)でなされている。
泉鏡花は、『高野聖』に登場する女妖怪を、中国小説『三娘子』から着想し、さらに、飛騨天生峠の孤家に宿泊した友人の体験談と合せて、物語の空想をふくらませていったという[2]。