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1970年オーストリアグランプリ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

オーストリア 1970年オーストリアグランプリ
レース詳細
1970年F1世界選手権全13戦の第9戦
日程 1970年8月16日
正式名称 VIII Großer Preis von Österreich[1]
開催地 エステルライヒリンク
 オーストリア シュタイアーマルク州 シュピールベルク英語版
コース 恒久的レース施設
コース長 5.911 km (3.673 mi)
レース距離 60周 354.66 km (220.38 mi)
決勝日天候 曇(ドライ)[2]
ポールポジション
ドライバー ロータス-フォード
タイム 1:39.23
ファステストラップ
ドライバー
クレイ・レガツォーニ (40[3]周目)
フェラーリ
ファステストラップ
ジャッキー・イクス (51[3]周目)
フェラーリ
タイム 1:40.40[3]
決勝順位
優勝 フェラーリ
2位 フェラーリ
3位 ブラバム-フォード

1970年オーストリアグランプリ (1970 Austrian Grand Prix) は、1970年のF1世界選手権第9戦として、1970年8月16日エステルライヒリンクで開催された[1]

レースは60周で行われ、フェラーリジャッキー・イクスが3番手スタートから優勝した。チームメイトのクレイ・レガツォーニが2位で初の表彰台を獲得し、ブラバムロルフ・シュトメレンが3位で唯一の表彰台を獲得した。ドライバーズランキング首位で母国グランプリを迎えたロータスヨッヘン・リントポールポジションを獲得したが、エンジントラブルでリタイアに終わった。

背景

F1世界選手権レースとして開催されるオーストリアGPはツェルトベク飛行場で行われた1964年以来2回目[注 1]である。ツェルトベク飛行場でのF1レースから6年が経つ間、同飛行場のすぐ北にエステルライヒリンクが建設された。風光明媚なこのコースは、一連の高速コーナーや起伏の激しさが特徴であった[4]

エントリー

フェラーリは3台の312Bを走らせることを決め、これまで2台目をシェアしていたクレイ・レガツォーニイグナツィオ・ギュンティがともに走ることになった。ウィリアムズブライアン・レッドマンスポーツカーレースに参加するため[4]、新人ティム・シェンケンを起用した[5]ロブ・ウォーカーコーリン・チャップマンロータス・72を注文したが準備が間に合わず、グラハム・ヒルは欠場した。コーリン・クラッベ・レーシング英語版はエンジンを使い果たしたため[注 2]ロニー・ピーターソンも欠場した[6]

エントリーリスト

チーム No. ドライバー コンストラクター シャシー エンジン タイヤ
ティレル・レーシング・オーガニゼーション
1
ジャッキー・スチュワート
マーチ 701 フォードコスワース DFV 3.0L V8 D
2
フランソワ・セベール
マーチ・エンジニアリング
3
ジョー・シフェール
マーチ 701 フォードコスワース DFV 3.0L V8 F
4
クリス・エイモン
STPコーポレーション
5
マリオ・アンドレッティ
マーチ 701 フォードコスワース DFV 3.0L V8 F
ゴールドリーフ・チーム・ロータス
6
ヨッヘン・リント
ロータス 72C フォードコスワース DFV 3.0L V8 F
7
ジョン・マイルス
8
エマーソン・フィッティパルディ
49C
ブルックボンド・オクソ・レーシング/ロブ・ウォーカー
9
グラハム・ヒル 1
ロータス 72 フォードコスワース DFV 3.0L V8 F
モーターレーシング・ディベロップメンツ・リミテッド
10
ジャック・ブラバム
ブラバム BT33 フォードコスワース DFV 3.0L V8 G
アウト・モトール・ウント・シュポルト
11
ロルフ・シュトメレン
スクーデリア・フェラーリ SpA SEFAC
12
ジャッキー・イクス
フェラーリ 312B フェラーリ 001 3.0L F12 F
14
イグナツィオ・ギュンティ
27
クレイ・レガツォーニ
チーム・サーティース
15
ジョン・サーティース
サーティース TS7 フォードコスワース DFV 3.0L V8 F
ヤードレー・チーム・BRM
16
ジャッキー・オリバー
BRM P153 BRM P142 3.0L V12 D
17
ペドロ・ロドリゲス
18
ジョージ・イートン
エキップ・マトラ・エルフ
19
ジャン=ピエール・ベルトワーズ
マトラ MS120 マトラ MS12 3.0L V12 G
20
アンリ・ペスカロロ
ブルース・マクラーレン・モーターレーシング
21
デニス・ハルム
マクラーレン M14A フォードコスワース DFV 3.0L V8 G
23
ピーター・ゲシン
22
アンドレア・デ・アダミッチ
M14D アルファロメオ T33 3.0L V8
シルビオ・モーザー・レーシングチーム
24
シルビオ・モーザー
ベラシ F1 70 フォードコスワース DFV 3.0L V8 G
コーリン・クラッベ・レーシング
25
ロニー・ピーターソン 2
マーチ 701 フォードコスワース DFV 3.0L V8 G
フランク・ウィリアムズ・レーシングカーズ
26
ティム・シェンケン
デ・トマソ 505 フォードコスワース DFV 3.0L V8 D
ソース:[7][1]
追記
  • ^1 - マシンが準備できず欠場[8]
  • ^2 - エンジンが準備できず欠場[6]

予選

土曜日は雨に見舞われたため、金曜日のタイムにより予選順位が確定し、既に地元オーストリアの英雄となっていたヨッヘン・リントポールポジションを獲得した。しかしその一方で、チームメイトのジョン・マイルス英語版がブレーキシリンダーの故障に悩まされ、ロータス・72の信頼性に疑問を投げかけた。リントのライバルとなっていたフェラーリ勢が好調で[6]、頭角を現してきたクレイ・レガツォーニが2番手となり、リントとフロントローに並んだ。ジャッキー・イクスは3番手でジャッキー・スチュワートと2列目、イグナツィオ・ギュンティは5番手でクリス・エイモンと3列目に並んだ[4]

予選結果

順位 No. ドライバー コンストラクター タイム グリッド
1 6
ヨッヘン・リント
ロータス-フォード 1:39.23 - 1
2 27
クレイ・レガツォーニ
フェラーリ 1:39.70 +0.47 2
3 12
ジャッキー・イクス
フェラーリ 1:39.86 +0.63 3
4 1
ジャッキー・スチュワート
マーチ-フォード 1:40.15 +0.92 4
5 14
イグナツィオ・ギュンティ
フェラーリ 1:40.21 +0.98 5
6 4
クリス・エイモン
マーチ-フォード 1:40.60 +1.37 6
7 19
ジャン=ピエール・ベルトワーズ
マトラ 1:40.81 +1.58 7
8 10
ジャック・ブラバム
ブラバム-フォード 1:40.81 +1.58 8
9 2
フランソワ・セベール
マーチ-フォード 1:40.89 +1.66 9
10 7
ジョン・マイルス
ロータス-フォード 1:41.46 +2.23 10
11 21
デニス・ハルム
マクラーレン-フォード 1:41.49 +2.26 11
12 15
ジョン・サーティース
サーティース-フォード 1:41.49 +2.26 12
13 20
アンリ・ペスカロロ
マトラ 1:41.70 +2.47 13
14 16
ジャッキー・オリバー
BRM 1:41.73 +2.50 14
15 22
アンドレア・デ・アダミッチ
マクラーレン-アルファロメオ 1:41.82 +2.59 15
16 8
エマーソン・フィッティパルディ
ロータス-フォード 1:41.86 +2.63 16
17 11
ロルフ・シュトメレン
ブラバム-フォード 1:42.09 +2.86 17
18 5
マリオ・アンドレッティ
マーチ-フォード 1:42.28 +3.05 18
19 26
ティム・シェンケン
デ・トマソ-フォード 1:42.41 +3.18 19
20 3
ジョー・シフェール
マーチ-フォード 1:42.56 +3.33 20
21 23
ピーター・ゲシン
マクラーレン-フォード 1:42.79 +3.56 21
22 17
ペドロ・ロドリゲス
BRM 1:43.19 +3.96 22
23 18
ジョージ・イートン
BRM 1:45.00 +5.77 23
24 24
シルビオ・モーザー
ベラシ-フォード 1:45.64 +6.41 24
ソース:[9][10]

決勝

日曜日は10万人の大観衆が詰めかけた。観客のほとんどは地元の英雄ヨッヘン・リントの優勝を期待したが[6]、彼らは失望することになった[4]

スタートでクレイ・レガツォーニが首位に立ち、ジャッキー・イクスもリントを抜いてフェラーリが1-2体制を築いた。リントはフェラーリ2台を追ったが、エンジントラブルで早々とリタイアした[11]。2周目にレガツォーニはイクスを前に行かせ、以後はフェラーリ2台がレースを支配した。ジャン=ピエール・ベルトワーズはフェラーリ2台に続く3位を長く走行していたが、レース終盤に燃料ピックアップの問題に苦しみ、ロルフ・シュトメレンBRMの2台(ペドロ・ロドリゲスジャッキー・オリバー)に抜かれて6位に終わった。イクスとレガツォーニは3位のシュトメレンに1分半の差を付け[4]、イクスは今季初勝利を挙げ、フェラーリは1-2フィニッシュを達成した。レガツォーニとシュトメレンは初(シュトメレンにとっては唯一)の表彰台を獲得した[6]。フェラーリの残る1台を駆るイグナツィオ・ギュンティはレース序盤に4位を走行していたが、ファイアストンタイヤの前輪のトレッド部分が持ち上がってしまったため交換しなければならず、大きく後退して7位に終わった[11]。フェラーリ、BRM、マトラの12気筒勢は全車が完走し、上位7台中6台を占めた。それまでフォード・コスワース・DFVエンジンの前に敗走していた12気筒勢の復調を印象づけたレースとなった[12]

ドライバーズチャンピオン争いは首位のリントがリタイアしたが、2位のジャック・ブラバムも無得点に終わったため、両者の差は20点のままであった。3位のデニス・ハルムはブラバムと5点差、優勝したイクスはジャッキー・スチュワートに並ぶ19点で4位に浮上した。コンストラクターズチャンピオン争いはロータスが首位をキープした。ブラバムはシュトメレンが表彰台を獲得して33点とし、2位のマーチとポイントで並んだ。レースを制したフェラーリは、4位のマクラーレンとの差を大きく縮めた[6]

レース結果

順位 No. ドライバー コンストラクター 周回数 タイム/リタイア原因 グリッド ポイント
1 12
ジャッキー・イクス
フェラーリ 60 1:42:17.32 3 9
2 27
クレイ・レガツォーニ
フェラーリ 60 +0.61 2 6
3 11
ロルフ・シュトメレン
ブラバム-フォード 60 +1:27.88 17 4
4 17
ペドロ・ロドリゲス
BRM 59 +1 Lap 22 3
5 16
ジャッキー・オリバー
BRM 59 +1 Lap 14 2
6 19
ジャン=ピエール・ベルトワーズ
マトラ 59 +1 Lap 7 1
7 14
イグナツィオ・ギュンティ
フェラーリ 59 +1 Lap 5
8 4
クリス・エイモン
マーチ-フォード 59 +1 Lap 6
9 3
ジョー・シフェール
マーチ-フォード 59 +1 Lap 20
10 23
ピーター・ゲシン
マクラーレン-フォード 59 +1 Lap 21
11 18
ジョージ・イートン
BRM 58 +2 Laps 23
12 22
アンドレア・デ・アダミッチ
マクラーレン-アルファロメオ 57 +3 Laps 15
13 10
ジャック・ブラバム
ブラバム-フォード 56 +4 Laps 8
14 20
アンリ・ペスカロロ
マトラ 56 +4 Laps 13
15 8
エマーソン・フィッティパルディ
ロータス-フォード 55 +5 Laps 16
Ret 21
デニス・ハルム
マクラーレン-フォード 30 エンジン 11
Ret 15
ジョン・サーティース
サーティース-フォード 27 エンジン 12
Ret 26
ティム・シェンケン
デ・トマソ-フォード 25 エンジン 19
Ret 6
ヨッヘン・リント
ロータス-フォード 21 エンジン 1
Ret 5
マリオ・アンドレッティ
マーチ-フォード 13 アクシデント 18
Ret 24
シルビオ・モーザー
ベラシ-フォード 13 ラジエーター 24
Ret 1
ジャッキー・スチュワート
マーチ-フォード 7 燃料パイプ 4
Ret 7
ジョン・マイルス
ロータス-フォード 4 ブレーキ 10
Ret 2
フランソワ・セベール
マーチ-フォード 0 エンジン 9
ソース:[13]
優勝者ジャッキー・イクスの平均速度[8]
208.035 km/h (129.267 mph)
ファステストラップ[3]
ラップリーダー[14]
太字は最多ラップリーダー

第9戦終了時点のランキング

  • : トップ5のみ表示。前半7戦のうちベスト6戦及び後半6戦のうちベスト5戦がカウントされる。

脚注

[ヘルプ]

注釈

  1. ^ 1963年の非選手権レースを含むと3回目で、スポーツカーレースとして開催された年を含むと8回目。
  2. ^ この年、フォード・コスワース・DFVエンジンはクランクシャフトの品質不良やエンジントラブルの多発により、慢性的な不足状態を招いていた。 (ダグ・ナイ 1989, p. 212),(林信次 1995, p. 107)

出典

  1. ^ a b c 1970 Austrian Grand Prix Entry list. Racing Sports Cars. http://www.racingsportscars.com/covers/_Zeltweg-1970-08-16e.jpg 2020年1月6日閲覧。. 
  2. ^ (林信次 1995, p. 132)
  3. ^ a b c d Austria 1970 - Best laps”. STATS F1. 2020年1月6日閲覧。
  4. ^ a b c d e Austrian GP, 1970”. grandprix.com. 2020年1月5日閲覧。
  5. ^ (林信次 1995, p. 113)
  6. ^ a b c d e f Austria 1970”. STATS F1. 2020年1月5日閲覧。
  7. ^ Austria 1970 - Race entrants”. STATS F1. 2020年1月6日閲覧。
  8. ^ a b Austria 1970 - Result”. STATS F1. 2020年1月4日閲覧。
  9. ^ Austria 1970 - Qualifications”. STATS F1. 2020年1月6日閲覧。
  10. ^ Austria 1970 - Starting grid”. STATS F1. 2020年1月6日閲覧。
  11. ^ a b (アラン・ヘンリー 1989, p. 257)
  12. ^ (林信次 1995, p. 106-107)
  13. ^ 1970 Austrian Grand Prix”. formula1.com. 2013年10月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年12月22日閲覧。
  14. ^ Austria 1970 - Laps led”. STATS F1. 2020年1月6日閲覧。
  15. ^ a b Austria 1970 - Championship”. STATS F1. 2019年3月7日閲覧。

参照文献

  • Wikipedia英語版 - en:1970 Austrian Grand Prix(2019年8月31日 2:27:30(UTC))
  • 林信次『F1全史 1966-1970 [3リッターF1の開幕/ホンダ挑戦期の終わり]』ニューズ出版、1995年。ISBN 4-938495-06-6
  • アラン・ヘンリー『チーム・フェラーリの全て』早川麻百合+島江政弘(訳)、CBS・ソニー出版、1989年12月。ISBN 4-7897-0491-2
  • ダグ・ナイ『チーム・マクラーレンの全て』森岡成憲(訳)、CBS・ソニー出版、1989年12月。ISBN 4-7897-0491-2

外部リンク

前戦
1970年ドイツグランプリ
FIA F1世界選手権
1970年シーズン
次戦
1970年イタリアグランプリ
前回開催
1964年オーストリアグランプリ
オーストリアグランプリ
次回開催
1971年オーストリアグランプリ
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1970年オーストリアグランプリ
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