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チョン (蔑称)

「取るに足らない人物」という意味の侮辱語。または朝鮮民族への侮辱語。 ウィキペディアから

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チョンとは、

  1. 俗に、頭の悪いこと。おろかなこと。
  2. 朝鮮人の蔑称。「チョン公」「チョンコ」などとも[1][2]

概要

要約
視点

初出は、明治3年に出版された『西洋道中膝栗毛』と考えられている[3]

なんだ仮初にも亭主にむかってさっきから人中だと思ッて勘弁すりゃァばかだのちょんだの野呂間だのとモウ此上は堪忍ぶくろの緒が切れた

意味・語源は不詳だが「ばか」や「のろま」と並置されていることから悪口であろうと推察される。あるいは『西洋道中』の掲出部分[4]の文脈は直前に遊び惚けて仕事をしない弥次郎兵衛と北八に妻たちが愛想をつかして喧嘩になる場面であり「話(離縁あるいは落し前)をつけてもらひやせう」を口にしたのちの弥次郎兵衛のセリフであり、文脈では「幕切れ(縁切)の拍子木」の比喩とも取れる。ただこの場合も文脈上あきらかではなく(「のろま」は弥次郎兵衛の妻おはちのセリフとして文脈上で直接出てくるが「ばか」や「ちょん」に直接つながるセリフがない)推測の域を出ない。いずれにせよ本作の筆者仮名垣魯文の幕末明治期の執筆上の関心は西欧(英米仏蘭露など)に集中しており、また明治3年頃の東京府の市井に朝鮮人が(ましてや侮蔑の対象として)広く意識されていたとは考えられない[5][6][7]

これ以降の他の用例も「バカだのチョンだの」「バカでもチョンでも」といった語形が大半であり、「チョン」単独で悪口として使われることは確認できない。国語辞典は「まともでないこと、頭のわるいこと。つまらないこと。また、そういう人や物やそのさま。」[8]を採録するが、用例としては「バカだのチョンだの」「バカでもチョンでも」といった語形が大半であり、「チョン」単独で悪口として使われることは少ない。

その他の語源説として

  1. ちょんがれ節の語源「ちょぼくる」からの類推で①口先でうまく言いくるめる(者)②からかう、ばかにする(者)の意味[9]
  2. 半人前や取るに足らない人のことを芝居の終わりに打つ拍子木の音になぞらえた
  3. 踊り字の「ゝ」(ちょん)が「漢字にも満たない中途半端な文字」であることから「半人前の人」を指すようになった
  4. 役務を帳票に記す際、筆頭名主は役職名と姓名を記したのに対して、筆頭以下の同役に対しては「以下同役」の意味で「ちょん」と略記したうえで姓名を記したことに由来し「取るに足りない人」を指すようになった

などがあるがはっきりしない。「チョット」という副詞は室町時代から「チットシタ/ソットシタ」という語として利用されており、日葡辞書(1603-1604)には「ソットシタコト」「ソットシタヒト」を「少しの事」「普通の人、あまり値打ちのない人」と掲出している[10]。「ちょんぼり」という語(副詞)は「こぢんまりとしているさま。また、わずかであるさま」と小学館デジタル大辞泉は採録する[11]

もとは江戸言葉だったと言われることもあるが、三好一光編『江戸語辞典』や、前田勇編『江戸語大辞典』には掲載されていない。

戦後、「バカでもチョンでも」が略された「バカチョン」という表現が広く使われるようになった。

一方、朝鮮人の蔑称としての「チョン」は、1960年代あたりから使われるようになった。やはり語源は不詳だが、「朝公(ちょうこう)」が略されて「チョン公」となったという説がある。[12]

これが「バカチョン」と結びついて、侮蔑的・揶揄的に使われたことで、「バカチョン」が単なる侮蔑語ではなく差別語としての意味を有するようになったと言われている[1]。こうした事情から、日本国内のメディアでは放送禁止用語の一種としている[1]

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脚注

参考文献

関連項目

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