トップQs
タイムライン
チャット
視点

アイランズ (キング・クリムゾンのアルバム)

キング・クリムゾンのアルバム ウィキペディアから

Remove ads

アイランズ[注釈 1]』(英語: Islands)は、キング・クリムゾン1971年に発表したスタジオ・アルバム。通算4作目。

概要 『アイランズ』, キング・クリムゾン の スタジオ・アルバム ...
Remove ads

解説

要約
視点

1970年、キング・クリムゾンは、ロバート・フリップ(ギター、メロトロン)とピート・シンフィールド(作詞、照明)の2名のオリジナル・メンバーと、メル・コリンズ(サックス、フルート)、ゴードン・ハスケル(リード・ボーカル、ベース・ギター)、アンドリュー・マカロック(ドラムス)の新メンバー[注釈 2]、さらにジャズ・ピアニストのキース・ティペット[注釈 3]と彼のグループやジョン・アンダーソンらのゲストによって、サード・アルバム『リザード』を制作して12月に発表した。そしてオリジナル・メンバーによる1969年のアメリカ・ツアー以来となるライブ活動を行うために、アルバム発表直後にリハーサルを開始するが、その初日にハスケル、引き続いてマカロックが脱退してしまった[1]ので、新メンバーを探さなければならなくなった。

フリップは同年、ティペットが主催する60名を超える大編成ジャズ・バンドであるセンティピードのアルバム『セプトーバー・エナジー』のプロデューサーを務めた。その時に紹介されたボーカリストのボズ・バレルをキング・クリムゾンのオーディションに誘い、採用した。また、キース・エマーソンに推薦されたドラマーのイアン・ウォーレスをやはりオーディションの後に採用。ベーシストは適任者探しが難航し、ようやくスティーライ・スパンのリック・ケンプに決定したが、ライブ活動の為のリハーサルの直前に加入を断られてしまった[2]。フリップ達はギターを弾けるバレルがベーシストを兼任する策を思いつき、フリップとウォーレスとが協力して彼にベース・ギターを教えることになった[3]。その結果、フリップ(ギター、メロトロン)、バレル(リード・ボーカル、ベース・ギター)、コリンズ(サックス、フルート、メロトロン)、ウォーレス(ドラムス、バック・ボーカル)、シンフィールド(FOH・サウンド・エンジニアリング、VCS3・シンセサイザー、照明)の顔ぶれでライブ活動を開始。1971年4月にドイツのフランクフルトで4回のコンサート、5月から10月末までイギリス・ツアー[4][注釈 4]、11月から約1か月間のアメリカ・カナダ・ツアーを行った。そして、7月からはライブ活動と並行して新アルバム『アイランズ』を制作した。

本作には女性オペラ歌手のポーリナ・ルーカス、前作に引き続き、キース・ティペット・グループのメンバー等がゲスト参加している。1曲目「フォーメンテラ・レディ」[5]の初期セッションではベテランのジャズ・ピアニストであるジュールス・ルーベン(Jules Ruben)[注釈 5]が参加したが音楽的に合わず、キース・ティペットに代わっている。

本作はイギリス・ツアーと並行して制作された。シンフィールドは制作状況の変化を指摘して、フリップと彼の細かい指示により厳しくコントロールされた前作『リザード』とは異なり、本作は「ギグとギグの合間にレコーディングを繰り返す為、反動で思いつくままに制作された」と述べている[6][7]

シンフィールドによる歌詞は、『オデュッセイア』の世界観から影響を受けた内容となっている。彼はジャケット・デザインも担当し、いて座三裂星雲の写真を使用したが、アメリカ盤の初回盤のジャケットでは、彼が描いた絵に差し替えられた[8][9]

「レターズ」[10]は、デビュー当時の1969年、オリジナル・メンバーのライブで演奏されていた「ドロップ・イン」という曲を改作したもの[注釈 6]

本作のリリースから間もない1971年12月、シンフィールドがフリップにより解雇。年が明けて1972年1月のリハーサルでフリップと他の3名とが対立した結果、バンドの解散が決まった。所属事務所のEGからアメリカ・ツアーの契約が残っていると指摘されたので、契約履行の為のツアーを2月から始め、4月1日の終了と同時に解散した。ツアー中に3人はアレクシス・コーナーと意気投合して、アメリカに残ってコーナーの新しいバンド『スネイプ』に加入。フリップはイギリスに帰国してキング・クリムゾンの新メンバーを探し始めた。

本作発表と前後して行われたツアーの模様は、『アースバウンド』(1972年),『レディース・オブ・ザ・ロード』(2002年), "Sailors' Tales (1970–1972)"(2017年)などに収録された。

Remove ads

収録曲

SIDE ONE

  1. フォーメンテラ・レディ - Formentera Lady (10:14)
    Fripp, Sinfield
  2. 船乗りの話 - Sailor's Tale (7:21)
    Fripp
  3. レターズ - The Letters (4:26)
    Fripp, Sinfield

SIDE TWO

  1. レディース・オブ・ザ・ロード - Ladies of the Road (5:28)
    Fripp, Sinfield
  2. プレリュード:かもめの歌 - Prelude: Song of the Gulls (4:14)
    Fripp
  3. アイランズ - Islands (11:51)
    Fripp, Sinfield

参加ミュージシャン

ゲスト・ミュージシャン

クレジット

Robert Fripp:  guitar, mellotron, Peter's Pedal
Harmonium and sundry implements.
Mel Collins:  flute, bass flute, saxes and vocals.
Boz:  bass guitar, lead vocals and choreography.
Ian Wallace:  drums, percussion and vocal.
Peter Sinfield:  words, sounds and visions
 
Featured players
Keith Tippett:  piano.
Paulina Lucas:  soprano.
Robin Miller:  oboe.
Mark Charig:  cornet.
Harry Miller:  string bass.
 
Engineer Andy Hendrikson.
Cover Design & Painting: Peter Sinfield
Photographs: Robert Ellis
Equipment: Vick & Mike
Recorded at Command Studios, Picadelly, London.
 
Produced by King Crimson for E.G. Records.
All songs published by E.G. Music Ltd. ©1971.
Remove ads

脚注

外部リンク

Loading related searches...

Wikiwand - on

Seamless Wikipedia browsing. On steroids.

Remove ads